1-9
「では今度こそ失礼致します、旦那様」
「あ、ああ」
私がマイルスと話している間もずっと見ていらした旦那様にご挨拶して部屋に向かいます。旦那様、お暇なのかしら?
「お帰りなさいませ。リリア様」
「とても嬉しそうですが、お茶会はいかがでしたか?」
「分かる!?今日王妃様とのお茶会にサプライズでエリザベス様が来ていたの!それでお友達になれて、愛称呼びまで出来るようになったのよ!恐れ多いけれどとても嬉しかったわ!」
「そうでしたか!それはようございましたね」
「良かったですね!」
デリアとメアリも自分のことのように喜んでくれます。思い出すだけでにやけてしまって、怪しく見えてしまうかもしれないわね。
それから、いつか二人でお出かけしましょうというお話にまでなりましたのよ。
リズ様の美しさが皆様にも分かって頂けるように着飾って差し上げたい!
もちろん、なにもしなくてもお美しいですけどね!
二人と一緒にリズ様のお話で盛り上がります。
コンコン!
「リリア様。晩餐のご準備が出来ました」
「ありがとう。今行くわね」
「行きましょう。デリア、メアリ」
「「はい」」
今日の晩餐はなにかしら?マカロンも楽しみだわ!
「お待たせ致しました、旦那様」
「…」
チラッとこちらを見ましたが無視ですか?それならと愛想笑いで返します。
すでにこちらは見ておられませんけれどね。
「では、いただく」
「いただきます」
今日の晩餐はメインが魚のムニエルと小松菜のバター炒めです。
とても良い香りがして美味しそうですね!
旦那様は表情ひとつ変えずに私に話しかけることなく黙々と食べられています。
美味しくないのでしょうかね?
「このムニエル、とても美味しいですわね。旦那様はいかがですか?」
「…ああ、美味いな」
美味しそうには見えませんけれどねぇ…
先程からずっと何か考えているみたいですが、お仕事のことでしょうか?
食事が終わるとデザートにマカロンが出てきました。
なんと、私が好きなイチゴ味のマカロンでした!
「ん~~!美味しいですわ、マイルス!」
「喜んで頂けたようで何よりです」
「ええ!ありがとうね」
これでしばらくは頑張れるわ。…旦那様とのほぼ無言生活でも余裕で…!
まあ、私にとって今の旦那様は空気よ空気!空気から昇格する日がくるのかは分かりませんけれどね。
今更ですけれど後継ぎはどうなさるのでしょうね?旦那様にはご兄弟がおられないとお聞きしておりますが。
…まあ、きっと何とかなるでしょう!
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした。とても美味しかったですわ。マカロンも宜しければまた作ってくれたら嬉しいわ!」
「ありがとうございます。またお作りしますね」
「ありがとう!」
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