1-5

「はい。リリア様、後程朝食の時に使用人達と顔合わせをして頂くことになっております」


「そう。分かったわ」



朝食を終えると、使用人達がぞろぞろと入ってきます。さすが公爵家!使用人の数が多い!


あ、朝食はとても美味しかったわ!でも一人で食べるのは少し味気ないわね…マリデール侯爵家はいつも家族みんなで食べていたから。


「「「「おはようございます、奥様!」」」」


「おはようございます、皆様。今日から宜しくお願い致しますね!」


「初めまして奥様。私は執事長のロータスと申します。私から紹介させて頂きます。」


「ええ」


「まずは、料理長のマイルスと庭師長のゼインです」


「マイルスです。宜しくお願い致します」


「ゼインだ。よろしく」


「ええ」


「それからリュード様の側近のルークです」


「よろしく、奥様。俺はリュー…あ、リュードのことね、の乳兄弟でもあるんだよ。関わることも多くなるかも知れないね」


「そうなの。よろしくね」


「以上です。他の使用人達はそれぞれまた覚えて頂けるよう、お願い致します」


「ええ。皆様、改めましてリリア·マリデールからリリア·スミスになりました。これからどうぞ宜しくお願いしますね。出来れば奥様ではなくリリアと呼んでくださいまし」


「ではリリア様、これからどうされますか?お部屋に戻りますか?」


そうねぇ。そういえば、ここはお屋敷ではなくてリュマベル城と言うのよね…ずっと思っていたけれどすごい大きさだわ。迷ってしまいそう…!


「食後の散歩も兼ねて城内を回ろうかしら?」


「分かりました。ではご案内致しますね」


「ええ」


「ではまずは…」


デリアとメアリが案内してくれますが、広すぎる!部屋が多すぎる!迷路みたい!


だんだん目がお亡くなりになってきているような…


「リリア様、大丈夫ですか?」


「疲れました?リュマベル城はとても広いですものね!」


「ええ、そうね。疲れたのもあるけれど…広いわ!広すぎるわ!侯爵家も大きかったけれどこことは天地の差よ…!」


「ふふっ。そうですか?お元気そうにも見えますけれど?」


「気のせいね!」


「そうですか。とても面白…可愛らしい奥様で私達も嬉しゅうございます」


デーリーアー?面白いって言いそうになったでしょう?貴方も想像以上に明るいというか、何というか…


「ところでリリア様。毎週水曜日はご覚悟なさいませ。公爵夫人としてのお仕事がございますよ」


「え!か、覚悟しないといけないようなことなの?」

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