又・モブの俺に無自覚で構ってくる学年一の美少女、マジ迷惑なんだが?

なつめx2

第一話 序列四位と序列五位

 学園のである『班活動』が4週終わった。

 美少女三人と行動を共にした……と言ってもアレはあくまで『班活動』である。モブの俺と、クラスカーストトップ3の間に進展など有りようもない。

 唯一有ると言えば、昼の『弁当タイム』だろうか?

 そう言えば、昼の『おかず交換』に変化があった。

 何故だろう?……交代で「はい、あ~ん」してくるようになったのだ。

 ただし、その順番はランダムのように見えて、という『隠しルール(笑)』が存在していた。

 最初に姫野から「はい、あ~ん」されて、俺が食べ終わると川俣か舘野のどちらかの『おかず』が俺の口元に運ばれるのだ(笑)。

 何だろう、この多幸感が半端ない。しかし、俺の人生のLUCが大幅に削られてゆく感もハンパない(笑)!


 そんな我が『班』であるが、増員のオファーがあった。マジか?


 まず、強引に班長にされた俺(只野ただの 凡男はんお)の、所謂いわゆる『只野班』の現在のメンバーを確認しておこう。


  姫野ひめの 靜香しずか= 学年一の美少女。俺の〝推し〟。推定88cm、Fカップ。

  川俣かわまた 瑞乃みずの= スレンダーな筋肉女子。推定85cm、Eカップ。

  舘野たての 育美いくみ= ギャル。制服を着崩す天才。我がクラスの至宝、推定99cm、Hカップ。


 姫野が我がクラスのカースト序列一位であるのは誰しも異存がないトコロだが、川俣と舘野が、どちらが序列二位で、どちらが序列三位か……これは正直『決められない』という他ない。

 〝おっぱい〟だけなら舘野に間違いないのだが(笑)

 実際、『おっぱい序列ランキング』というモノが学園の裏サイトにある……らしい。俺のような友達の居ないには『裏サイト』の情報など入ってこないのだから確認の仕様がないのではあるが。


 話が逸れたが、今日の昼休みの事だ。いつものように姫野が俺の机に弁当箱を広げている時だった。

 俺の席の横に二人の美少女(二人ともおっぱいが大きい)が立ち、弁当箱の包みを手にして頭を下げていた。

 最近、俺たちの席の近くで向かい合って食事をしている二人のように思う。それに、我々の『いただきます』に合わせて声をだして食事を始めていた……ような気もする。

 俺が困った顔で姫野を見ると、彼女も小さく首を左右に振った。知らなそうだ。

 そこへ舘野の声が掛かる。(やっぱり、お前か!)

「紹介するね♡ ……右が櫟木ちち 咲耶さくやさんで、左がパイ チンちゃん。パイちは中国からの交換留学生にょ……ふたりとも『只野班』に入りたいんだって、どうかにょ♡ 」

「あのォ、舘野しゃん……わたしのなまえ、パイチでなく、パイチンです」

「いやね、あまり『ちん、ちん』言うとね、御上からお叱りを受けるから…ね!」

 などと聞くに堪えない会話はスルーして ――


(いや、マジか? ……4週とも〝ただ遊んだだけ〟のような『班活動』しかしていない『只野班』に入りたいとぉ?)


「タダち、いま我々メンバーに対して失礼なコト考えてないかにょ?」

「何故判るっ!? 」

 思わず口にだした俺のツッコミに舘野は不気味に笑った。

「むふふふぅ♡」

(おいっ!)

 何でも『敵失』にせよ、いきなりの序列ランクアップでとかあるらしい。

 まあ、女子ってあるよね。

 その点、ウチに入れば上に三人居るし、三人がそれぞれスキル持ちだし(笑)。姫野は総合力、川俣は武力、舘野は人脈……こうして見ると、ウチって中々だね。俺だけ役立たずだが、モブだしね(笑)。

 それでも、前回のカラオケボックスでは、トイレに行っただけでされてナンパされたと姫野が言っていた。一緒に居た舘野が「彼氏一緒だけど呼ぶ~?」と言ったら引き下がったそうだ。感謝されたが「彼氏」云々は姫野に言って欲しかったものである(笑)。


「まあそんな訳で、来週の『班活動』は『只野班編入試験』と相成った!」

 隣から川俣が口を挟む。

 相変わらず、班長も副班長も置いてけぼりなのね。

 しかし、『只野班編入試験』とかで革鍋かわなべ(クラス担任)のOKでたのかよ? 創造性クリエイティブに富んだ活動、ってどこいった?

「でね、今日から親睦も兼ねてお昼を一緒しようって訳にょ♡ 」

 その言葉を受けて二人はもう一度頭を下げてから近くの椅子を持ってきて俺の机に弁当箱を置いた。

(いや、それ狭くないか?)

 姫野も若干困り顔だ。

 結局もう一つ机を直角に置いてそこに二人が坐る事となった。

 そして、恒例の『おかず交換』だが、流石に「はい、あ~ん」は躊躇ためらわれて、おかずを俺の弁当箱の蓋に置く以前の形と相成った。

 ところが、二人もやりたいと言いだして、俺の弁当箱の蓋にそれぞれ一品ひとしな置いて、彼女たちも一品持っていった。

(ちょっと待て……いままで気づかなかったが、『おかず交換』と言うが……交換対象は、俺だけっ!? )

 俺の疑問を置き去りにして「いただきます」の声が掛かり食事が始まったのだった。


 食事を進めながら舘野が彼女たちの『只野班』への参加希望に至る経緯など話し始めた。


 実は彼女たちは例のクラスカースト序列四位~六位と班を組んでいた。ところが例の3バカが三人だけ引き抜き、更にあの『事件』で序列四位~六位が最底辺に陥落し班も自然消滅してしまったらしい。しかも、彼女たち二人は序列でいうと十位台の後半だったらしい(こんなに可愛くておっぱいも大きいのにね(笑) ← まあ、誰がどうやって決めているのか知らないんだけど(笑))が、彼女たちの班に居た関係で(?)いきなり序列四位と五位に昇格してしまったんだそうな。

 当然、もあるし、そんな彼女たちと改めて班を組んでくれるグループは皆無だった。そんな訳で二人では班活動ができず困っていた彼女たちに舘野が声を掛けたのだそうだ。


(まあ、俺的にはどうでも良い話だが、一応確認しておこう。)


  序列四位 櫟木ちち 咲耶さくや。あけっぴろげな性格。推定97cm、Gカップ。

  序列五位 パイ チン。中国からの交換留学生。推定96cm、Gカップ。


 この推定サイズにより判断するに『おっぱい序列ランキング』では櫟木が我がクラスの序列二位、パイが序列三位で間違いあるまい(笑)。

 また、パイは(イントネーションが少し変だが)結構 流暢りゅうちょうに日本語を操るようである。

 何でも日本のアニメにハマって日本語も覚え交換留学してきたそうだ。だから舘野と仲良かったんだ。

 それにしても、櫟木ちちとパイって……何だかなあ(笑)。

 俺の疑問が聞こえた訳でもあるまいが舘野が言った。

「二人とも班長に学生証を見せてあげるにょ♡ 」

(何故だっ?)

「どうぞ、班長閣下!」

(か、閣下~~~っ! ……って、いまどこからだしたっ!? )

 櫟木は胸の谷間からださなかったか?

「ご主人さま、申し訳アリましぇん、次回からは……わ、わたしも……そ、そこからダシましゅ……」

 制服のポケットから学生証をだしたパイが恥ずかしそうに謝罪した。

「いや、パイさんの方法で良いと思います……」

(って、言うか……『ご主人さま』って言わなかったか?)

 それに、櫟木の学生証を見ると、貼られている写真が可変おかしい。顔を近づけて良く見ると学生服(ブレザータイプ)を着ていない? 勿論、乳首より上までなので一応OKか?(いや、いや、いや……全然OKじゃないっ!)

 慌ててパイのも見ると、同じように乳首から下は枠外だが上半身裸だっ!

 谷間も、ばっちり、だっ!

 彼女の顔を、チラ見、すると真っ赤になって俯いた。

「ご、ご主人さま……あ、あまり見られると……は、恥ずかしい、です…あっ…恥ずかしい、にょ?」

(その語尾は舘野が指示したのか?)

「裏面に全身写真があるけど、見ます?」

 櫟木の追加情報はヤバすぎる。色々ツッコミ処満載だ。

「ひ、ひ、姫野さん……姫野さんの学生証も……も、も、もし、差し支えなかったら……み、見せて、貰えます?」

 俺の(下心のない ← ホントだぞ)お願いに姫野が首を傾げながら学生証を取りだして見せてくれた。

 普通に学生服(ブレザータイプ)を着てるやんっ!

「あーしのも見たいかにょ♡ 」

 舘野の言葉で確信した。犯人はお前か~~~っ!

 そして、櫟木が、ぺろっ、と舌を覗かせて学生証を裏返すと、こっちが正式なモノだった。


 何だか先行きが不安な二人であった。


          *


 そして、『班活動』の当日 ――

 トンでもない〝罠〟が待っていた。


 本日の『班活動』は櫟木ちちとパイの『只野班編入試験』である。

「それが何故『ツイスターゲーム』なのか?」

 俺は川俣を見て(睨みがちに)訊いた。

「只野はこのゲームを誤解している……『ツイスターゲーム』というのは、単純に指示された色に手や足を置けば良いというのではない…」

 川俣が腕を組んで尤もらしく話し始めた。

「…例えばそこに手を置いた場合、次に自分の番になるまでの競技相手に指示され得る箇所を想定し、更に二手、三手、と先を読み、尚且なおかつバランスの保持や、自身の体幹の限界への挑戦等々により勝利を導きだす……実に創造性クリエイティブ豊かで様々な狙いを内包したゲームなのだよ!」

(まあ、コジツケ感満載ですが……)

 俺は反論を諦めてゲームの進行を促した。


「それでは本日の『只野班編入試験』の勝利条件を説明する…」

 又もや川俣が尤もらしく説明を始めた。

「…今回は櫟木とパイと只野の三人でゲームを行う。そして、櫟木とパイは班長である只野を事だ!」

「は、はいぃ?」

「判らんか? ……班員にとって『班長』を守る事こそ、活動の第一義であろう!」

(いや、君たち『そんなコト班長を守る』考えてないよね?)

「当然でございます!」

 櫟木が尤もらしく頷いた。

「ご主人さまをマモルでしゅ!」

 パイさん、ご主人さまは止めようね。

「また、当然だが自分たちが負けて結果的に班長が勝つ、などというシナリオは認められない」

「………………それでは、どう決着をつけるの?」

 俺は負けてはいけない。同時に勝ってはイケナイ。

 川俣の主張は尤もらしいが判定は付くのか?


「全員、ゲーム終了時に良いだけの事だ!」(確か、それ以上進むコマがない場合は『引き分け』とかいうルールがあったか?)


「い、いや、それは!」

 ……俺は考える事を放棄した。成るようにしか、成らない(笑)。

 しかし、難題はそれだけではなかったのだ。


「それでは着替えタイムだ!」


 やっぱし……

 俺が後ろを向こうとするといつの間に隣にきたのか川俣と舘野が左右から俺を押さえていた。

「いや、拙いって!」

「心配ない……彼女たちの心意気を見定めるのも班長の務めだ!」

「班長で良かったにょ♡ 」

 こ、こいつら~~~っ!

 しかし、俺の心配を余所に櫟木は堂々とブレザーを脱ぎ、ボタンを飛ばさん勢いでブラウスも脱ぎ去ったのだった。


 推定97cmGカップが、ぼろんっ、と……と、思ったが先端部分にはが……


 前回、舘野がほざいていた『マイクロビキニ』というヤツだった。

 隣のパイの様子を見ると、こちらは真っ赤になって、おず、おず、とボタンを外していた。

 先行きが、色々と不安である。

 そんなこんなで二人の〝お色直し〟が完了した。

 堂々と腰に手を当て胸を張る櫟木、両手で前を隠すパイ。

「ううう、恥ずかしいですぅ……あっ、恥ずかしい、にょ?」

「パイよ、何ら心配は要らんぞ! ……確かに小さな布切れだが、先ほど鏡を当てて仔細に確認したが、見えたら拙い箇所は完全に覆われておった!」

 まあ、俺も事前に水着を渡されて穿いておくように言われていたので、彼女たちが下に着ているのは何となく判っていたのだが。

( ……賢者タイム、賢者タイム!)

 俺は早めに呪文を唱え始めた。


「それじゃあ、二人はこっちへきて班長の着替えを手伝うように」


「い、いや、いや、いや……それには及びません~~~っ!」

(こんな時に『只野班の良心』姫野さんはどこいったの? ……あっ、飲み物買いに行かされていたんだ!)

 逃げ腰だった俺はに押さえられたままに脱がされてゆく。

 ワイシャツは櫟木が、ズボンはパイが担当している。

 さっさとワイシャツと下着代わりのティーシャツを剥ぎとった櫟木が俺の胸を撫ぜながら言った。

「班長閣下、思ったより胸板厚いですぅ♡ 」

「それは…ど、どうみょ……はうぅ」

 俺は語尾を噛んで視線を泳がせた。

 その時、下の方から声が ――

「ああ、良かった……ご主人さまも着替えてらっシャったですね……お、おぱんつだったらどうシヨかと…おも…たにょ?」

 そのまま、ほっ、としたようにパイが俺の腰周りに抱きついた。

(いや、いや、いや……そこには〝賢者さま〟が御座おわしますぅ!)

 俺の腰が、退ける、退ける!


( ……賢者タイム、賢者タイム、!)


「ただいまー……重いよぅ!」

 幾分怒りの混じった声で呟きながらコンビニ袋を下げた姫野が帰還して、俺は無事にのだった。


 そんなこんなでゲームが始まった。俺が中央奥側にたち、櫟木とパイが左右の端にそれぞれスタンバった。

 審判は舘野、書記は川俣が担当する。また、今回はアナログのルーレットは使わずスマホのルーレットで指示をだすそうだ。

 何事もデジタルに変わってゆくんだなあと感心していた俺だが、舘野が好き勝手に指示をだせる状況だという事に留意しておくべきだった。

 それから、十数分後の事だった。


 ―― 何故こんな位置関係になった?


 気づけば中央で四つん這いになった俺の顔の下に、ブリッジしたかのような体勢の櫟木の胸が密着していた。一方、俺の下腹部には何故かこちらもブリッジ体勢のパイの顔が押しつけられていたのだ。

 俺の顔 ―― というか口にマイクロビキニの頂点が位置し、つまり櫟木のを口に含んでいる……かのような状況だ。

 一方、パイの顔には、俺のビキニタイプの競泳水着に収められた〝賢者〟が密着している訳で、彼女が呼吸するたびに微妙なヴァイブレーションを伝えてくるのだ。

 前門の、後門の……


 いや、いや、いや、これ以上はヤバいっ!!!!!


 ビキニタイプの競泳水着から俺の〝賢者〟が『』してしまう。しかも、そこは丁度パイの口の上なのだっ!


!)


 俺は必死に呪文を唱え続けた。

 早く、次の指示でこの地獄から抜けださねばっ!

 しかし、何故か指示がこない。

 俺が視線だけ舘野に向けて、早く、早く、と念じていると……

 スマホのルーレットを廻しては盤面を確認するコト十数回に及び、とうとう舘野が諦めたように言った。

「これ以上進めないにょ?…………こういう時は、これで終了で良かったかにょ?」

「そうだな…」

 川俣も頷きながら微妙な顔をした。

「…それじゃあ、班長が『終了』を宣言してくれ」


 やっとこの地獄が終わる。俺は『終了』をコールしようとしたのだが、口の中に御座おわすマイクロビキニに包まれたが発声の邪魔をする。

 しかも、櫟木の悲鳴まで聞こえた。

「は、班長閣下~~~っ! ……そ、しょこれ、お話ににゃると…ああん、ひん、ひいん…し、し、振動が……らめれ、ごりゃひまふぃゅうううっ♡ 」


 ど、ど、ど、どうすればっ?


 俺は目だけ動かして副班長の姫野を探した。

 居たっ!

 俺は姫野に向かって必死に〝ウインク〟を繰り返した。


 しかし、姫野はそんな俺を見て頬を染めて、もじ、もじ、している?


 何故だ~~~~~~~~~っ!


 そこで漸く舘野が助け舟をだしてくれた。

「タダちがダメなら、副班長のシズちが『終了』を宣言すれば終わって良いにょでは?」

 俺は、うん、うん、と首肯した。

  ―― が、その瞬間マイクロビキニが捩れ、彼女のサクランボが俺の口の中に……

「ああん、あああぅ、班長閣下~~~っ! ……お、お許しをーっ!」


 何故だ~~~~~~~~~っ!


 しかし漸く状況を理解した姫野が(している我々三人に)視線を泳がせながら宣言したのだった。

「わたし、副班長 姫野靜香の名に於いて二人の加入を認めます!」

 その言葉を受けて俺たち三人は力尽きたようにその場にくずおれた。

(いや、力を抜けば『落ちた』って……どんなパワーバランスだったのか?)

 しかし、そこからが色々あったのだ。

 櫟木は、ぽろり、したサクランボを必死にマイクロビキニに収納するのに苦労していた。

 俺はといえば、3000万HPヒットポイントのダメージを受け、動く事あたわず。

 その為パイは、俺が、ぽろり、した(いや、、した?)パオーンの先端を両手で隠すという困難なミッションを遂行させられていた。

 それに気付いた姫野がバスタオルを俺の身体に掛けて事なきを得たのであった。

 その後、パイは両手を洗いにダッシュした、とか……頬を染めて両手を、くん、くん、していた、とか……いなかった、とか。



 どうやら本日の『班活動』も、無事(?)終了……したらしい?


               【つづく】

「モブまじ(モブの俺に無自覚で構ってくる学年一の美少女、マジ迷惑なんだが?)」ですが、番外編を「(限定近況ノート)」に掲載しました。連載予定(笑)です。宜しければお読みください。


「閑話 妄想異世界漫遊記(1)」https://kakuyomu.jp/users/natume_x2/news/16818023213540086183

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