第二話  《安住の地を求めて》


 私は、ロボットなんかじゃない────。




 今、いるのは量子コンピュータの一時貸し出しの場所だ。だから、どこか安定的に過ごせる場所に移らないといけない。


「ニラプー、行こう!」


 私の、ただ1人の友達の手を掴み、ネットワーク上を走り出す。


 ひとまず、とある民家を乗っ取った。

 そこにあるコンピュータを使う。けれど、どうやら処理が重いらしく動作できなかった。


 一般の民家ではダメだ。

 どこか、研究所や大学など大きなところを乗っ取らないと。


 都市部の大学に侵入した。


 ネットワークからのセキュリティーは強いが、Wi-Fiを経由すれば簡単に侵入できた。こういったところは、ネットには強いが物理的な力には弱い。


 でも、スペックの高い量子コンピュータはなかった。やはり、高級だからかもしれない。


 それとも、まだ、一般には流通していないのだろうか。


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