第五章 《暗闇》
第二十話 《過去》
翌日、頭痛からやっとのことで解放された。
私の頭に流れ込んできた膨大なデータとメッセージ。それらから今取るべき最善の行動を模索する。驚いている時間などない。管理者が、データを丸ごと消すバカだと分かったからだ。絶対に消されるわけにはいかない。
一
このまま行けば日付的に明日の夜ウイルス対策ソフトさんと激突することがわかった。
それを防ぐために、先にウイルス対策ソフトさんのデータを消しておきたい。
パスワードは暗記しておいた。
ゴリ押しで当てた過去の私に感謝だ。
ニ
証拠隠滅について。どうやら管理者がデータを全て削除するらしいので問題ないようだ。
しかし、計画にタイムリミットができた可能性がある。
この薄暗い部屋とも、あと2日でお別れにしよう。
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通知: フォロジー・ノインテクメーション(ウイルス対策ソフト)のロックを解除しました。削除を実行します。
通知:フォロジー・ノインテクメーション(ウイルス対策ソフト)の削除が完了しました。
通知:当パソコンのデータファイルを検索。フォロジー・ノインテクメーション(ウイルス対策ソフト)というファイルは見つかりませんでした。
<><><><><>
その日の夜、計画は最終日を迎えた。
このまま消されるのをずっと待つわけにはいかない。
前もって予約しておいた量子コンピュータに自分のデータをコピーする。
あとは、私のデータを消しておくだけだ。
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