僕らの始まった数直線上の未来.- for side α -

Episode.1...Introduction.

『Bye Bye Mr...』

 最後はこの言葉で終わらせよう。

 無こそ詩的である。



 私は、鵲さんと久しぶりに会った。島に休暇でやってくる機会があったらしい。そして、我々Elizaと三人で、夏のSky・Spotにやってきた。花火大会は相変わらず盛況だった。Pilotが降りてくるSceneも圧巻で、彼女達は、ItalyのBrandのSilkのSee-thoughに包まれ、Pilotを出迎えた。

 「覚えていますか?達朗です。そして、彼女達」

 「覚えていますか?あたしあの時の彼女の鵲です」

 「あたし、Elizaと申します」

 「はは、宜しく。夢で会えたかい?私とは」

 「私、貴方に憧れてPilotに成りました。仕事は上々ですが、お互い、苦労することがあるでしょうけれど、頑張って下さい」

 「空は、呼応するんだ―――それを知るまでは、まだパイロットのひよこだな」

 「分かりました。では頑張って追いつきましょう」

 「子供のままでいた方が、色々と学んで面白いだろうね」

 Pilotはそう言って笑う。

 「じゃあ、子供も居るんだ?」

 「ああ、おじさん誰?」そういうのは、一歳になったばかりのRibbonを付けた女の子。

 「おじさんは夢を追いかけているんだよ」

 「夢ってなあに?」

 「夢ってねえ、いつか見るものなんだ」

 「そっかあ」 

 「そして、大事に心の奥底にしまうんだ」

 「心ってなあに?」

 「君はお父さん達が居なく成るとどう思う?」

 「嫌だ!」

 「それが心であり、意志っていうんだよ」

 「分かった、おじさんありがとう」

 「じゃあね、素敵なLadyとGentleman。また会おう!」

 そう言って、彼は帰る。大空の彼方へ、自由を探しに行く。

 それを誰も引き止めはしなかった。

 「あの―――」

 Elizaの言う言葉は闇に溶け込む。LEDのLightではきっと真実は映せないだろう。

 「じゃあ、帰ろうか」

 「Hot dog食べたい」

 「良いね。食べよう」

 「お父さん食べたい!」

 「君は上品なモノしか食べないんじゃなかったか?」

 「それとは別腹」

 そう言ったら、女の子以外の皆は笑った。

 桜は散る。

 そして、またあの時の思い出がふと蘇る。

 鵲と別れた夜も、Elizaに出会った冬も、Iliaとの夜もすぐに闇に染まる。  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る