喩機の暗病の何火で獨り雌覺めてゐること

麻井シキ

わたしは絶望を毎日やる

なんで心配するの

わたしはここで心配しているしかないのに

人のことを気にしてだされた言葉

   だいじょうぶ?

     わたしはなにもできないけど

       がんばって

わたしはそんな言葉とたたかわなきゃいけない


社会に消え去った言葉はそこで消え去ってしまえばよかった

人間のふりを演技した言葉はそこからでてこられなかった

わたしは人のことを気にしちゃいけない


冷たくなって終わる宇宙の話を聞いた わたしはいづれ死ぬ

星々はバラバラに散って暗がりに無限に冷たくなってゆく

生き永らえた最後の人々は無限に冷たくなってもう誰も自分を受け継

ぐ人がいないことを知りながら生きるのをやめる

私を受け継ぐ人が誰もいないことを知りながらわたしはいづれ死ぬ

元気だして だいじょうぶ?

わたしはなにもできないけど

わたしをなぐさめた言葉をわたしはゆるさなきゃいけない

なぐさめた人の無力をクズ籠に捨ててわたしはすべてをゆるしている

絶望が演技している 明日は平和だ

人間のnの力が神をうみだした 最後の人は神を信じながら死ぬ

                自分が知らないことを信じながら死ぬ

                わたしはわたしをうみだしたから神はいない


文明たちの前ではすべてが滑らかでつるつる

わたしは明日を生きてゆくことを知っている 一人の人っぽくふるまえてる

なにも正しいことを知らないから

わたしはびちゃびちゃに分かれてる

わたしを組みあわせる言葉、は罪だから

なにも光もひとときの輝きも与えない

わたしは絶望を毎日やる


20170212

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