第4話 オウムアムアと剣持大河

 2017年10月19日、マウイ島の天体望遠鏡PS1が、奇妙な天体を発見した。

 ハワイ語で彼方よりの使者オウムアムアと名付けられたその天体は、当時人類が初めて観測したとされた、太陽系外天体であった。


 オールトの雲を越えて飛来し、葉巻のような細長い奇妙な形状や謎の推進力の形跡を残す謎の天体。ハーバード大学の天文学部学部長アブラハム・ローブらは「これは宇宙人の探査機だ」と主張した。


 これは太陽光を受けて推進力を産み出す太陽帆ソーラーセイルを持ち、それを利用した宇宙船だ、と。


 彼らの主張は正しかった。


 オウムアムアとは地球人類とは全く異なる起源を持つ生物、オルムそのものであったからだ。


 オルムはその本体を余剰次元の世界に持ち、惑星から惑星を渡り、その惑星を自分に相応しい場所へと変える本能を持つ高次元生命体。


 オルムにとって地球に既に蔓延る人間という種は自身にとって邪魔ではあるが、同時に自身の生存戦略の為に利用できる稀有な存在である、と映った。


 オルムは手始めに、自分と感応する人間を探した。


 オルムの触手に補足され、その使徒として相応しいと選ばれたのが、オルムの子供達チルドレン


 地球人類を襲う、怪人であった。


 オルムの子供達チルドレンは、人間を襲い、そのデータをオルムに送ることで、オルムの地球侵略の手助けをした。


 だが、オルムには誤算があった。


 奇跡とも言える確率。

 地球には、もう一体の高次元生命体が飛来していた。


 2014年1月に、当時学生だった天文学者アミール・シラジによって観測された天体、CNEOS2014-01-08。

 アメリカ政府が機密扱いにしていた、もう一つの太陽系外天体。


 それにオルムとは全く別種の高次元生命体が付着して、地球に飛来していた。


 その名をドンナー。


 地球内に落ちた隕石を通じて人類を観測したドンナーは、人類との共生を選んでいた。

 地球人類の産み出す文化、文明に惚れ込んだドンナーは、それを破壊せんとするオルムに対抗。


 オルムの子供達を倒す存在として、一人の人間を使者に選ぶ。


 使者の名を剣持大河。


 グレイヴマンとして、人類を脅かす怪人オルムチルドレンを倒す使命を帯びた、英雄ヒーロー


 彼の活躍と、地球人類が生み出したもう一人の英雄、牙城國彦によって、幾多の戦いが繰り広げられた。


 グレイヴマンは、怪人オルムチルドレンの全てを見事打倒し、ドンナーの力添えと共に、地球を周回するオウムアムア内部のオルムとの最終決戦を経て、人類を地球侵略の手から救ったのだった。

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