第3話 〝2〟

 (火曜日)


 お母さんは〝5〟、たぶん金曜日。

 引きこもりのお姉ちゃんは〝4〟番目。


 昨日あったことをお姉ちゃんの部屋のドア越しに説明してから、お母さんと一緒に交番へ行った。


 お姉ちゃんに伝わってるかな。もしかしたら寝てて聞こえなかったかも。


 交番に着いたら慌ただしかった。

 昨日は私と同じように交番に駆け込んできた女の人が一人、〝1〟番目だった人の話をしていたけれど、あれからずいぶん増えたんだって。街中よりも留置場とか、警察署内で死んだ人がたくさんいて、だから人手が足りなくて、私の話を聞いている余裕がないんだって言って帰された。


 「また余裕ができたら、こちらから伺います」って言われたけれど、余裕ができる日はたぶんこないんじゃないかと思う。

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