夢守人

有葵

1話

いつも夢を見る毎日違う時代違う情景…でもいつも同じ女の人が側にいた…。そしていつも自分はその女性に殺されていた…。


―――――

『お逃げ下さい!姫様!』

『くすくす…』

『…え?なん…で……』

腹部に痛みが走り自分のお腹に剣が刺されておりドクドクと血が流れていた足元に血溜まりができその場に倒れていく。

―――――


「うそだっ!……て、夢か…ってはぁ〜…」

ガバッと飛び起きるとそこは自分の部屋で、でも左手はお腹を抑えていた。これで何回目だろうかいつも時代や情景が違うのに必ず居る黒い髪の女性…気を取り直して水を一口含み再びベッドへ潜る…。


自分の性別は違かったりするのに必ずいる女性気になるけど深夜だったので再び眠りにつく



―――――――

『おめでとう〜ようこそ!夢の世界へ』

青い髪の男の子が1人椅子に座って拍手していた。

『ねぇ、君ってば毎日古い記憶を観てて疲れない?』

『誰?ここは何?』

パパラパラと男の子の周りで本が開かれ文字が紡がれていく

『最初に言ったじゃないか、夢の世界って!…因みに僕は夢守人…そしてこの本たちは沢山の夢から紡ぎ出されている夢の物語。』

沢山の本が並いる中一冊の本が私のもとに飛んでくる。ただし無色透明な本が

『…あぁその本は毎日見てる君の夢の本…記憶だから物語にならなくて本が作れないんだ…』

『…記憶って?』

『…君達人間は面白いよね!眠りながら空想を浮かべるんだもん!』

『…空想…』

『その空想が物語となってここの本に紡がれていくんだ…それなのに一冊だけいつまでたっても色がつかない消えゆく本が増えていく…だから君が選ばれたんだろうね…』

『色がつかないとどうなるの?』

『人間が人間として居ることができなくなるんだ…君は人として色んな意味消える前にここに来たみたいだからまだ助かるかもしれないよ?』


沢山の文字と本がパラパラと紡がれては本棚へと戻っていくと新しい本が開かれては文字が紡がれて本に色がついていく

『今日から君も夢守人となってこの物語たちを管理してみない?夢の見方を忘れた君なら出来ると思うんだ!』

『君もそうなの?』

『僕は夢を見ないうちに消えたから…』


男の子の話からすると存在が消えてしまったのか、亡くなってしまったのか…ちょっとしんみりしてしまい聞いてはいけなかったことを聞いてしまったと思って慌てて謝る。


『別に気にしなくて良いよ…僕はたくさんの物語が読めて楽しいんだ!』


男の子は楽しそうに私の手を取り椅子に案内して自分の椅子に座り紡がれた本を開き読み始める。


『ちょっと待って私はどうやって戻れば良いの?』

『うーん…僕はわからないや…君がちゃんと夢を見たら戻れるんじゃない?』


私が戻る方法を聞いた途端に無色透明だった私の本に色がつき始めた。

『あ~あ…夢を見始めたんだね!今度は楽しい物語を見せてよね!バイバイ!』

―――――――――


「…ここは…私の部屋?」

「何言ってるの~!夢でも見たんじゃないの?」

そう言って私の部屋で様子を見ていたであろう姉がケラケラ等と笑いながら部屋を出ていく。

「夢か…」

さっきの男の子は一体何だったのだろうか私の夢が記憶と言っていたけどなんで何度も殺されてるのかも凄く気になるけど…朝になりいつも通りに起き、学校へ行く支度をしながら今日見た夢が凄く気になりながら朝食を食べ学校へ向かう


「おはよう!今日は顔色がずいぶん良さそうだね!」

何時も睡眠不足で倒れていた私を心配してくれる同級生の

幼馴染が私の顔色を覗き込んでくる。

「おはよう!夢のおかげかなぁ…」

「夢?…何それ〜…」


そして倒れることもなく学校が終わり、部活に入ってない私は帰宅し始める。電車を降りふと街中にある商店街を通ると普段気にならない脇道へと足を運ぶ。


突き進むと一軒のレトロ感のある真新しい本屋が出てきた。

「…こんなところに、本屋があったんだ…」

ふと興味が出て足を踏み入れると何かをくぐったような感覚に戸惑い足を進めるのに躊躇して立ち止まる。

中は色とりどりの色が所狭しと並べられたたくさんの本が列んでいた。


「…来たんだね!ようこそ!ドリームブックスへ!」

「…え?」

どこか聞き覚えがある声がしてこえのほうへ視線を移すとそこに一人の覚えのある男の子が立っていた。




















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