ドライフラワー
わたしロゼおば★(ピンクマン)
プロローグ
「皆さん、こんにちは。本日、新入生代表としてこの場に立たせて頂く、花村美咲です。」
春の風が校庭を包み込み、入学式の会場が華やかな雰囲気に包まれていた。新入生代表、
花村美咲(はなむら みさき)は、
少しの緊張とともに、希望と期待が溢れていた。
「私たちは今日からこの学校の一員として、新たな一歩を踏み出します。これからの学校生活において、皆さんと共に学び、成長していけることを誓います。」
美咲は仲間の顔を見渡し、その中にいる大切な人、矢部浩二が驚いた顔で自分を見ていることと、この高校に入学したという情報を「確信」した瞬間、美咲は少し輝き自然と柔らかい微笑みが浮かんだ。
「これからの学校生活において、皆さんと共に学び、成長していけることが、心から楽しみです。」
拍手の巻き起こる会場の中、
美咲は一礼し、挨拶を終えて壇上から降りつつ、人々からの目から隠れる瞬間、彼女の口元に表面的な笑顔とは違って、深い闇を含んだ不気味な笑みが広がった。彼女の執着と欲望を一瞬に消し去り、同級生の中に戻って行く。
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(な、なんで美咲がここに!?)
壇上から降りる新入生代表、花村美咲を見て、俺、矢部浩二の心臓がドキドキと鳴り響く。ありえない!故郷から離れた都会の高校で、中学に上がってから一切交流がなかったのに…。
汗が垂れる。鳥肌が止まらない。蓋をしたはずの黒歴史がドロドロと溢れてくる…。俺はあの日、彼女を全否定してしまったんだ。純粋な好意と周りの目を天秤にかけて、後者を選んでしまった罪悪感が蘇る。
彼女と、美咲と目が合った。ニコッと微笑む顔が、眩しくて、息苦しい。俺にそんな顔を向けないでくれ。そうだよな?後ろに並んでる男のことだよな?
記憶がフラッシュバックする。そう、俺が小学校四年生の春だった。
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