もくもくれんですか?

学校で授業を受けていると、後ろから何人もの視線が刺さる。授業参観が毎日のようで。掲示物の隙間が、私は怖い。誰も彼もが無意識にそれを感じ、口に出そうとすると視線が警告してくるのが肌にピシピシとわかる。まるで口を開いたら喉に向けて何かが入ってきそうで、生徒達は口を噤む。そして、なかったことにしようと視線を隠そうと壁を掲示物で隙間なく埋める。かわいいシールで誤魔化す。それでも消えない。


ふざけた男子の1人が木目に向かって画鋲を刺す。じわじわと赤黒い液が滴る。


翌週から卒業までその男子の片目は眼帯で隠されていた。

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