頭の中の小人

最近の研究で、人類は宇宙とネズミの脳と、人間の脳の構造が非常に似ていることを発見した。


つまり、我々の頭の中に宇宙が広がっているのだ。我々一人一人が宇宙を内包した存在なのである。


馬鹿馬鹿しい。そんなわけがあるものか。似通っているだけじゃないか。陰謀論やオカルトにはまる連中はこれだからよろしくない。自分の中に宇宙があるだって?証拠をみせろってんだ。


ところで、最近少し寒くなってきたな。

ん、これは、、くるぞ、、、ぶえっくしょい!!!!!!!!!!!!!!


はぁ、はぁ、ひどくでかいくしゃみだ。


汚い床にこびりついた飛沫の一つ、ちいさなちいさな黒い点が私に話しかける。


「わたしこそが、証拠だよ」


思考停止ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんだ、何が起こった。聞き間違いか?わた、わたしのなかに、、なんだあれは?生き物?寄生虫?は?え?あれ?私は気が狂ってしまったのか?それとも……そうだ!!これは悪い夢に違いない。そうに決まっている!!!!私は、夢を見ているんだ。最近は忙しくしてたから疲れがたまったんだろう、さぁ、早く、目よ覚めてくれ!!!!


な、なんだ、この揺れと地響きは!!!部屋がどんどん崩れていく!!じしんだ!!!!!

あぁ!やっぱり!!こんなことが起きるなんて、悪い夢なんだ!!!現実的じゃあない!!!


大きな縦揺れで私は吹き飛ばされ、濁流に飲み込まれ、流されていく。はやく、早く夢から覚めなければ……意識が薄れていくのを感じながら流されていく。


目が覚めたのは、床の上だった。状況を確認するために部屋を見回す。


うん、、、、、さすがにこれは悪夢と認めざるを得ないだろう。


私は、大きく息を吸い込み、上を大きく見上げ、そしてこう叫んだ。


「わたしこそが、証拠だよ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る