第13話 大掃除

 朝の過ごし方というのは、その家を象徴している──と思う。


 たとえばユウキの前世では、親が自家用車で遠方の音楽教育が充実している学校に通う妹を送り迎えしている間、サッカーのクラブチームの朝練に向かう弟のためにユウキが朝食や弁当を作っていた。才能溢れる弟と妹のために早起きすることは、しんどいけれども苦痛だったことはない。

 ポチに顔面をぺろぺろと舐められて起き出す。


 ダイニングにはピーターがいた。

 テーブルの上のバスケットに黒いパンが盛られている。

 たっぷりとミルクを入れたマグも用意されている。これがピーター家の朝ごはんのようだ。アキノはまだぐっすり眠っているようで、二階からかすかにイビキが聞こえてくる。聞かなかったことにしよう。

 アキノは昨日と同じく昼過ぎに起きてくるようだ。シフト制親子である。

 昨夜、家に帰るとすでにピーターは眠ってしまった後だった。

 アキノは明け方にピーターが起きてきてから眠るから、とユウキを先に寝室に送り込んでくれたのだ。

 父娘のどちらかが起きていることで、このお手伝い屋さんに困っている人が駆け込んきやすい状態にしている……ということだろう。


「やあ、おはようございます。ユウキ殿」

「おはよございます」

「昨夜のユウキ殿の活躍、アキノが寝る前に話してくれたよ。それから、例のお願い《・・・・・》のことも。見た目は小さな子どもなのに立派な人だと驚いていたよ」

「え、あ、えへへ」

「アキノは俺に似たのか、大きな取り柄はないけれど運はいい子でね。この仕事もなんとかやってきたんだけれど……あんなに楽しそうに仕事の話をしているのは、初めて見たな」


 ピーターがユウキにパンを取り分けてながら、穏やかに微笑む。

 丸くて大きな黒っぽいパンは、昨日スリ師三人組のアベルがくれた紙袋に入っていたものと似ている。これがトワノライトの日常食らしい。

 昨日は結局、背嚢リュックに入っていた果物を食べてすぐに眠ってしまったので、トワノライトの食べ物を口にするのは初めてだ。


「いただきます」


 まふ、とパンに齧り付く。


「…………」


 パンの味がなかった。というか、埃の味がする。

 仕方なく流し込んだミルクも、味が薄くて水っぽかった。もうミルクはこりごりだと思っていたけれど、オリンピアが用立ててくれたミルクはかなり美味しいものだったのだと、今更になって思い知った。

 ……この世界の料理て、もしかして。

 全部、マズいのだろうか。

 ルーシーの手料理が特異的に不味いのかと思っていたけれど、そうではなさそうだ。今のところ、オリンピアの果実が一番美味しい状態だ。


(まあ、それはそうだよな……味噌も醤油もないんだもん……)


 調味料が塩と野草的なハーブだけなのだから、仕方がないところだが。

 いつか、美味しいものを食べたい。

 体も大きくなってきて、お腹も空くようになってきた。

 ユウキはハンバーガーチェーンの薄っぺらくてケチャップの味が濃いハンバーガーや、喉が渇くしょっぱさの家系ラーメン(ほうれん草マシ)、伸びるチーズがてんこ盛りのピザに思いを馳せる。

 パンを食べているのに、お腹が空いてきてしまった。

 そのとき、玄関に人の気配があった。


「ごめんください」

「おや、ミュゼオンの見習いさん」

「っ、ピーター卿!」


 サクラだった。

 昨日はあまり眠れなかったのか、目の下に濃いクマができている。


「ようこそ、昨日ぶりですね」

「す、すみません……『ピーター卿の家かも』という噂をたどって、急に尋ねてきてしまい……」

「おやおや。あまり言いふらさないでくださいね」


 内緒、とピーターが口の前に人差し指を立てると、サクラはコクコクと頷いた。

 本当にこのおじさんは、人タラシだ。

 ピーターの口ぶりからは、こんな仕事をしているのに本当に「英雄」だと気づかれずに過ごしているらしい。もしかしたら、周囲が気がついていないフリをしてくれているのかもしれないけれど……。


 そして、後ろから様子を見ていたユウキを見つけると、緊張した面持ちから一転、パアァアッと笑顔になって小さく手をふってきた。

 ピーターが膝を突いて、サクラに目線をあわせる。

 それなりに上背があるピーターだった。


「何かの御用ですかな」

「えっと、その……ユウキ様にお礼を申し上げに……」

「おや、ユウキ殿に? では、どうぞ中へ」


 ピーターがサクラを中に迎え入れる。

 そのとき、「ああ、そうだ」と何かを思い出したようにサクラを振り返る。


「そうそう、ついでにミュゼオン教団の見習いさんに懺悔を聞いてほしいのだけれど……お願いできますかな」

「えっ? 懺悔を聞かせていただいても、私は見習いなので何もできません……」

「聞いてくれるだけでいいんです。喜捨はのちほど」

「そんな! 喜捨だなんて……こんな役立たずに」


 恐縮するサクラにそれ以上は返答せずに、ピーターはずんずんと応接室に進んでいく。


(なるほどなぁ……上納金ノルマのこと、助けてあげるつもりだ)


 ピーターは家を訪ねてきたサクラにスムーズに喜捨を渡すために「懺悔を聞いてほしい」と願い出たのだろう。

 ユウキは、痺れた。


(かっこいいなぁ!)


 のんびりとして平凡なおじさんという印象だったピーターだが、ひとつひとつの言動に芯が通っている。


 こういうイケオジになりたい人生であった。

 まあ、今は六才児なので遠い夢なのだけれど。

 応接間に通されたサクラは、所在なさそうにそわそわとしている。

 ユウキは応接室の外から様子をうかがうことにした。


「実はお茶を上手く淹れられなくてね……すまないが、朝食の残りのミルクをどうぞ」

「ありがとうございます、こんな高価なものを」


 ミルクは高級品らしい。

 ほこりっぽいパンを流し込むためにがぶがぶ飲んでしまって悪かったな、とユウキは頬をかいた。


「それで、ピーター卿の懺悔というのは?」


 サクラがぴっと背筋を伸ばす。

 わざわざこの場所を探してやってきたのだから、サクラにも話があるはずなのに……責任感の強い少女なのだな。


「はい、実は……昨日、娘とお客人に仕事を任せたのちに、すっかり眠り込んでしまいまして……」

「ふむふむ」

「それで昨日、彼らがお助けしたというミュゼオン教団の聖女見習いさんをおもてなしすることもできなかったのです。信者からの申し出でしたら、外泊も許されたでしょうに……私が起きていたら、夜遅くに見習いさんを寮に追い返さずにすんだのですが」


 申し訳ないことをしたなぁ、とピーターは大きく溜息をついた。


「そそそ、そのっ! むしろ、私はその御礼を申し上げに……」


 困惑しているサクラに、ピーターがニッコリと微笑みかける。

 ポケットから金色に光るコインを取り出して、応接テーブルにことりと置く。高額なコインだ。


「実はですね、こちらからお願いが……というか、そこにいるユウキ殿からのお願いがあるのです」

「え?」


 名前を呼ばれて、ユウキは廊下から顔を出した。

 サクラが目を丸くしてユウキを見る。


「あ、あの、ユウキ様……私、あなたとアキノさんにお礼を申し上げに来たのですが……役立たずのクズ以下の私なんかにお願いって一体……?」


 実は、昨日の様子を見てアキノに相談をしていたのだ。

 すでにアキノを通して、ピーターにも話を通してある。

 サクラが今朝ここにやってこなかったとしても、ミュゼオン教団に申し入れをするつもりだったのだ。


「サクラさん。あのおうちのおそうじ、てつだってくださいっ」

「えっ?」


 上納金とか、ノルマとか。かなり苦労しているのは明らかだった。

 しかも、路地裏でげっそりと痩せて倒れていて……スリ師のスキンヘッドに身ぐるみ剥がされそうになっていた。おそらくあれは、珍しい光景ではないのだろう。屋敷に置き去りにされていたところからも、教団とやらでも立場が弱いのだろう。

 ユウキも営業職でノルマに追われてた時期もある。

 しかも、社内の人間関係も最悪だった。

 つらいのだ、あれは。

 わかるからこそ、助けてあげたい。


 だからといって、お金だけを渡すのはサクラのプライドを砕いてしまう。

 とてとて、とユウキはサクラの近くに歩み寄った。


「おてつだいやさんのおてつだい、してくれる?」


 アキノが瘴気酔いをしやすいのは、彼女が持っている魔力量が非常に少ないかららしい。いわく、魔力量が多い人が手伝ってくれれば、色々とスムーズなのだという。余裕があれば、ミュゼオン教団の聖女をサポートに入れたいくらいなのだと。

 ならば、うってつけの人材がいる。


「あ、あ」


 ぽろりと、サクラが涙をこぼした。

 昨日、路地裏で倒れていた様子といい、かなり切羽詰まっているみたいだ。


「わ、私っ……ほ、ほんとに魔力量以外に、とりえが、なくてっ」


 サクラがぽつぽつと話し始めたのは、彼女の生い立ちだった。

 貧乏貴族の七女に生まれたサクラは、口減らしのためにミュゼオン教団の聖女見習いに志願した。

 幸運なことに生まれつき魔力量に恵まれていたから、人体に宿る魔力……つまり生命力を他人に分け与えることで病気や怪我を治癒する聖女を養成しているミュゼオン教団は、サクラを歓迎してくれた。

 だが、姓を持つ貴族の生まれであることで、庶民出身の先輩たちからはやっかまれた。

 さらには、見習いを続けるための上納金のノルマが想像以上に厳しく、多くの見習いがあまり人に言えないような奉仕活動で稼ぎをあげているのが教団の実情だったのだ。

 ルールを破ることも、裏ルートのご奉仕もしない清廉なサクラはどんどん孤立し、困窮していった。


「上納金も、両親が持たせてくれた、なけなしの餞別を少しずつ切り崩して払っていたのですが……もう、これも底をついて、しまって」

「ふむ……もし上納金を払えなければ聖女になった後、一生を教団の下働きとして過ごすことになってしまうとか?」


 ピーターの問いかけに、サクラは躊躇いがちに頷いた。

 どうやら、その噂は本当のようだ。


「ふぅむ……ミュゼオン教団の見習いは街の下僕……という意識の者もいますからね。乱暴を働く輩も多い」


 酷い話である。

 肩を震わせるサクラは、ユウキに頭を下げた。


「はい……だから、昨日みたいに助けていただいたことは、はじめてで」


 サクラは涙で濡れた瞳でユウキを見つめる。


「わ、たし……本当に、嬉しくて……こんな階段の溝に溜まりに溜まったチリよりも存在している価値のない、しぶといだけが取り柄のゴミに……優しくしてくださって、ありがとうございます。同じゴミならば腐った野菜クズのほうがまだ利用価値があるでしょうに……畑の肥やしとか……あっ、肥やしなら私もなれるかも」

「ねがてぃぶのいきおいがすごい!」


 正直、ちょっと鼻につくほどの卑屈さだ。

 おそらく孤立無援で、いつも自尊心を踏みにじられるような境遇がそうさせているのだろうけれど、あまり気持ちのいいものではない。

 何より、卑屈になればなるほどサクラを目の敵にしているような奴らが増長するのは目に見えている。


「じぶんを『ごみ』とか『かす』とかいうの、やめて!」


 じっとサクラの目を見て、訴えた。

 サクラはハッとしたような表情をして、ユウキの言葉を噛みしめる。

 そして、またジワジワと泣き出してしまった。


「ユウキ様……あのとき、私みたいなク……いえ、私をっ、助けてくださって、あ、ありがとうございます……!」

「うん、うん」

「ほ、ほんとに……嬉しかったんです……」


 サクラとて、まだ十二才かそこらの子どもだ。年相応に泣きじゃくるサクラの頭を、ユウキは思わず撫でてしまった。自分が六才児なのを忘れて。


「……おなじじゃないけど、わかるから」

「~~っ、うえぇえっ」

「ふぎゃ!」 


 感極まったサクラが、ぎゅうっとユウキを抱きしめる。


「ユウキ様……あ、あなたは本当にすばらしいお人ですっ! 一体、人生何周

目でいらっしゃるのでしょうか!」

(に、二周目ですっ……!)


 ユウキのほっぺたをむにむにとして、サクラはちょっとだけ笑顔を浮かべる。六才になっても、ユウキのぷにぷにほっぺたは健在である。本人としてはちょっと気にしているのだけれど……周囲の大人には好評なのだ。


「ふふっ、柔らかい」

(なんか悪いことをしている気に……まあ、機嫌が直るならいいけど……)


 しばらくされるがままにしていると、応接室に遅れて起きてきたアキノがやってきた。


「おはよう、アキノ。今日からの仕事は、サクラさんにお手伝いいただけることになったよ」

「ふーん……」


 まだ寝癖がとれていないアキノがサクラに抱きしめられているユウキをじとっと見つめて、呟いた。


「……ユウキさん、楽しそうね」


 なんか、冷たい声なんですけど。

 ユウキはじたばたと手足を動かした。誤解です、アキノさん。

 ハーブティーを淹れながら、「ユウキさんのほっぺた、触るの我慢してたのに」と膨れているアキノに、ユウキは驚く。


(ほっぺたくらい、いくらでも触っていいですが!?)

「わふっ」


 我関せず、といった顔で、部屋の隅でポチが一声鳴いた。 


(こ、この裏切り者っ!)


 ユウキははじめて、親愛なるもふもふの相棒に対して「この犬めっ!」と毒づいたのであった。


 ◆


 昼過ぎから、ヒルクの屋敷の大掃除がはじまった。

 瘴気を可視化する変なメガネをかけたアキノの指示の元、サクラとユウキ、それからポチで清掃をすすめる。

 瘴気を祓うというと大げさだけれど、風通しを良くして、埃を払って床をよく拭く、瘴気が溜まらないように整理整頓をする……という普通のお掃除である。とても、地味。


「よいしょ、よいしょっ」


 ユウキは背の低いのを利用して、低い位置の拭き掃除や整理をしている。

 まずは瘴気の濃い奥の部屋から浄化そうじをはじめている。

 順調にいけば、三日か四日あれば作業が終わりそうな見通しだ。


「不思議ね、やっぱりユウキさんの近くにいると瘴気酔いがマシな気がするわ」

「はい。ユウキ様の周りだけわずかですが瘴気が浄化されている……信じがたいですが、本当のようですね」


 床の拭き掃除をしているサクラが大きく頷く。


「アキノさん、ご気分は大丈夫ですか?」

「ええ、元気よ。さっきサクラさんに魔力を分けてもらったからね」

「よかったです! いつでも言いつけてくださいね」


 魔力を譲渡する術は、ミュゼオン教団の秘術らしい。

 この魔力譲渡によって、ミュゼオン教団の聖女や見習いたちは、瘴気酔いや病気や怪我を治癒する。他にも、瘴気祓いを請け負ったり、様々な「奉仕活動」を行っているのだという。

 魔王討伐後、瘴気が渦巻く世界になってからというもの、魔力を多く持つ女子を集めて養育し「聖女」として働かせるミュゼオン教団は日々勢力圏を伸ばしている。

 ちなみに、サクラが路地裏で倒れていたのは、魔力が回復する前に譲渡を繰り返していた結果、魔力切れを起こして昏睡していたようだ。加減を知らない野も困りものだが、見習いにはよくある事故らしい。


「ふぅ、見習いさんがいてくれると助かるわ。さすがにユウキに魔力まで分けてもらうわけにもいかないしね」

「うっ。すみません……ゴミクズなので……この間……たっぷり魔力をわけてもらってしまいました……お小さいのに、あんなに魔力をお持ちなんて……」


 しゅん、とサクラが肩を落とす。


「ほら、落ち込まないの。持ちつ持たれつよ!」

「はいっ」

「さあ、わかったらピカピカに掃除するわよ」


 アキノはもともと魔力が少なく瘴気に弱い体質らしい。

 だからこそわずかな祓い残しも見逃さずに清掃することができるのだ。


「屋敷まるまる一棟の瘴気祓いを一人でやった、なんて教団的にも大きい功績になるんじゃない?」

「一人だなんて、私は皆さんのお手伝いをしているだけで……」

「んー、『ピーターのお手伝い屋さん』はあくまで非公式の何でも屋さんだからね。瘴気祓いの手柄をアピールしたりはしないの」

「そんな! こんなに大変な仕事をしてらっしゃるのに」

「私たちの手柄にならないからこそ引き受けるんだって、父さんがいつも言ってる」

「手柄に、ならないからこそ」

「そう。私たちの手柄が残ると、困りに困って頼ってくれた人がいつまでも『困ってたこと』を終わらせられないでしょ?」


 アキノが誇らしそうに胸をはる。


「だから、私たちは『お手伝い』しかしないし、どんな仕事をしてもそれは後に残さないよ」

「か、かっこいいです!」

「ふふ、だから今回の瘴気祓いはサクラさんのお仕事として報告しますね」


 ピーターがミュゼオン教団に対して、見習いのサクラ・ハルシオンが奉仕活動の一環としてヒルク邸の瘴気祓いを行う旨の報告書を提出してくれたのだ。

 地味な仕事とはいえ、瘴気溜まりの浄化というのは大きな仕事ではあるらしい。


(たしかに、地味で危険な仕事ってたくさんあるもんなぁ)


 ルーシーが行っていた狩りだってそうだ。

 魔獣と戦っている瞬間はたしかに多少は派手かもしれないが、基本的には魔獣の痕跡を探して歩いたり、じっと待ち伏せをしていたりしている。


 地味である。


 むしろ世の中にはそうそう派手な仕事なんてないし、実際そうだ。地味な仕事で、世の中は回っている。


「あっ、あぶない!」

「ふぇ?」


 物陰から出てきた鋭い歯を持つ蜘蛛の魔獣、カミキリグモがユウキに忍び寄っていた。足がやたらと長いシルエットが不気味だ。ショウフグモに比べてアグレッシブに動き回るのが最悪である。


「うっっわ、きもちわるっ!」


 驚いたユウキは、飛び退きながらカミキリグモを払いのけた──瞬間。

 ぱぁんっ!

 乾いた音をたてて、カミキリグモが砕け散った。

 ぽかん……とアキノとサクラがその様子を見て、言葉を失う。


「どれだけの魔力をぶつけたのよ、今の」

「…………す、すごすぎます」


 ユウキは自分の手のひらを見つめる。

 いや、今のはけっこう加減をしていたのだけれど。


「や、やまおくのクモはもっとおおきいんだよ」


 ユウキの言葉に、アキノとサクラが顔を見合わせた。


「絶対にユウキの故郷には行きたくないわね……」


 ポチと一緒に魔獣や魔物を駆除したり、拭き掃除をしたり……せっせと身体を動かしているうちに、ユウキのはじめての仕事は完了した。

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