第97話 ユンド国滅亡

 ソルミ都市へ10万人以上の大移動が開始された。

 後は元執行官ラルツ=アドエらの手腕にかかっている。

 また、後方の地方都市グルフィとアルモッチから多くの荷馬車が並んだ。


「大将、沢山の荷馬車は、すごい数ですぜ」


「実はな、貴族地区で下級貴族らを移動させる荷馬車を手配したのだ」


「殺せば済むのでは?」


「ワシも最初からそのつもりだった。

 しかし、上級貴族が各国へ亡命。

 どこも行く当てのない者を、惨殺するのに、少々考えてしまった」


 いつものあゆみではないとみんなが感じた。

 確かに、貴族地区、文官地区で無抵抗を殺しすぎたせいか、アト味が悪い印象を持っていた。

「抵抗する者はそのまま処分、

 降伏する者は最低限荷物を準備をさせる」


 あゆみはモエカ隊長の顔を見た。


「はい、ぜい弱すぎるユンド人で、憎しみより

 最近、哀れみを感じます。

 異国へ奴隷されている事を考える。

 気持ちを切り替えていますが」


「この広大なユンドの復興を考えると、

 活かす工夫をしないとな」



 やっと、周辺が静寂に戻った。



 あゆみは各部隊長らを招へいさせた。

 テーブルに帝都図を広げていた。


 ここが破壊した城門。

 ここが夜襲でミシェ国方面へ脱出した城門だ。

 帝都民が立ち退いたと仮定して。

 帝都の突撃を実施しようと考える。


 皇宮の包囲が目標だ。

 そのための貴族・軍官・文官地区を殲滅させる。

 アマゾネス隊には軍官地域を殲滅対象にと。

 クルル隊は文官地区を

 ロルナ隊は貴族地区を

 文官地区と貴族地区で、降伏する者らに、最低限の家財道具を道に出して待つこと、後から荷馬車の手配していることを言う。

 ヨシア隊は城外の投石機や大型弓座を城内に移動。

 破壊した城門から、四方に範囲を広げ、徐々に狭めていく。

 皇宮を取り囲んで、ゆっくり料理する。

 どうじゃ」




 それぞれの配置場所を確認して、ついに本格的に突撃を敢行する。


 殺列矢もあまり実施してなかったので、踏ん張って沢山射ってほしいもんだ。


 破壊した1カ所の城門から、ルッカ軍は突撃を開始した。

 投石機も大型矢座も城内に入れた。

 戦利品を回収荷馬車も入れた。


 あゆみは貴族地区に侵入した。

 小規模の住居の貴族は階級の低い者達かと。

 帝都の奴隷商売で恩恵を受けた一派とは違うのかと。

 

 高雅な建造物に入る。

 中はモノケのカラ。

 湯殿をみたが、豪華。

 あとで拝借するかと考える。 


 一回り回ったのか、ロルナ隊と会った。


 貴族地区は、空き家が多くあった。

 殺されていくのは、下級貴族かと考える。


 下級貴族らが沢山降伏したという。

 最低限の家財道具を道端い出す指示を再度した。


 やはり歯応えのないので、

 あゆみは軍官地区へ向かう。



 モエカ隊長らが苦戦している場面に遭遇する。

 あゆみは、小石を投げ、その男の膝にあてる。

 男は崩れ、隊長に斬られた。


 殺しがえのある軍人らがまだ多くいるらしい。

 ほどほどのダメージを与えて、アマゾネス隊に斬首させる。


 上官クラスだと、豪勢な住まいを構えているもんだと。

 肥え太った男が現れた。

 あゆみは斬り込んでいく。

 ほぅ。

 あゆみは嬉しそう。

 ほとほどの手応えのありそうだ。

 モエカ隊長、ロエール副隊長も狙っているのかと。

 あゆみは相手に手傷を負わした。

 2人は嬉しそうに、その男を斬り刻んだ。 

 両手両足を切断。首を切り離した。

 2人は大満足な顔をした。

 そこにいる者全てを殺した。


 クルル第1隊は文官地区を制圧

 ロルナ第3隊も貴族地域を制圧

 アマゾネス隊も軍官地域を壊滅 

 地域の制圧が完了した。

 余りにもあっけない制圧劇だった。


 貴族地区、文官地区へ荷馬車の往来が開始された。



 

 ついに、皇宮を取り囲んだ。

 まだ門を破壊しないでいる。

 宮廷内に投石機から炸裂爆弾を投下し、

 大型弓座から皇宮の壁を崩していく。


 皇宮から何ら反応がない。


 あまりにあっけない中央区画の制圧。

 沢山の下級貴族・文官らを確保した。


 あゆみは、宮廷正門を破壊させた。

 ついに皇宮に突入した。


 ドアを破壊し、廊下を歩く。

 荘厳とした創り。

 高い技術力を感じる。

 人の気配が感じられない。

 仕掛けでもしているのかと疑いたくなる。

 1階を制圧。

 地下も確認。


 2階に上がる。


 2階も制圧。


 3階に上がる。


 部屋という部屋を虱潰しに捜索をする。

 

 この先が皇帝の間か?



「無礼者、うす汚い奴らめが!・・・・」

 玉座の方から声がする。

 あゆみ、クルル隊長・ロルナ隊長、アマゾネス隊らが皇帝の間に入る。


 臣下の者が2人ほどいた。


「ワシが・・・・」

 皇帝らしき者が何か言ようとした時、

 あゆみは短剣を投げて、そいつの右耳を落とした。

 ジャオー!


 3人を拘束した。

 アマゾネス隊らは,刺し殺したい衝動を抑えていた。

 3人を縛りあげた。


 兵士らに皇宮の戦利品の回収をさせる。



 あっけないほどのユンド帝国の終極。


 もっと,切迫したものだと想定していた。

 こいつがソルラン人の奴隷狩りを推奨した張本人だと。

 こんなくだらないう奴に、どれほど苦渋を舐められた人間がいたことか。


 アマゾネス隊のモエカ隊長らに、3人を全裸にさせて城外に連れて行かせた。




 こいつらを何処で処刑するか

 ルッカ領ノエノにするか。

 チェンアルク国境沿いか。

 帝都門にぶら下げるか。

 アマゾネス隊にもなにかさせるかと。

 


 下級貴族にはそれほどの権威も持たないだろうか、

 文官にも復興に役立つ人材を期待するしかないか。

 ユンド再建に利用するしかない。

 まあ、人物を見て、見極めるかと。

 有能な人材確保が必要だ。

 後で従属契約を結ぶかと。



 やはり奴らは城門に逆さ吊りにするか。


 あゆみは城外に出た。



 アマゾネス隊はどう処罰するか、期待していた。


 刺し殺したいという意見もあった。


「奴らに威厳アル死をさせたくない。

 苦しんで,もがいて、苦しんで行く様を、


 そうじゃ、

 チェンアルク方面の城門でも吊したいが」

 すでに全裸の状態。威厳の微塵すら感じない、ただのおっさん達だ。


 異論はなかったので、

 さっそく、3人を後ろ手で縛られた状態で、城門へ向かう。


 3人は恐怖の顔を露わにしていた。


 帝都門は16門あるうち1つチェンアルク方面の城門に着いた。


 3人の口を塞ぎ。

 片足を縛って、

 開門させた城門から片足を縛って逆さに吊した。


 3人が揺れている。

 まだ元気ある証拠だ。



 荷馬車に最低限の家財道具を入れさせた、

 貴族集団

 文官集団

 にあゆみは生きたか、死にたいかの選択をさせた。

 全員生きたと。


 2集団に従属契約をかけた。


 お前達の行く先は

 ソルミ

 グルフィ

 アルモッチ


 ソルミ都市のアドエ元執行官らに、従属契約した貴族、文官らを引き渡した。

 その者達を見極めて、ユンド復興に役にたたせよと伝える。

 アマゾネス隊の隊長モエカはアルモッチ都市で痩せこけた3人の内1人が荷馬車隊を引き連れて来ていたいので、あゆみに紹介した。

 あゆみはその者を受け入れ、嬉しくモエカを見た。



 ソルミ都市のアドエ元執行官は気まずそうに、皇帝のその後と知りたそうだった。

 

 城門に吊したと教える。




 戦利品回収に数日はかかる。


 皇宮の図書もすべて回収。

 帝都の図書館でも図書全てを回収作業させた。

 さすが中心都市だけあって、所蔵の図書は膨大に近い。

 あゆみの基幹道路沿いに、ユンドの書籍を建設したいと考えている。

 前世であゆみは一冊の本を読破したこともない。

 

 ガランとした図書館に責任者らしき人物と3人がいた。

 もしやとあゆみはマルチド都市、フムライノ都市の図書館の者を知っているかと聞いたら、ワシの弟子だとか言った。

 その2人の弟子が書籍とと共に、ルッカにいると、

 基幹道路が完成したら、ユンドで回収した図書を設置する施設を造ると話したら、乗り気になったので、次いで連れて行くことにした。



 戦利品回収まで、ルッカ軍には皇宮の大浴場を使用させる。


 アマゾネス隊にも何処かの豪邸の浴場を使用すればと伝える。



 あゆみも目星した浴場場所へ向かう。

 水をはって、火を熾し、湯を沸かした。

 久しぶりの入浴。

 生き返る。


 服も適当に拝借した。




 あゆみはソルミ、グルフィ・アルモッチの担当した者を集めさせ、

 避難した者達は一時的であること。

 これから街道沿いに発展する場所にと、

 都市機能が薄い地区ではなく、

 大きな道路沿いに都市の建設を話す。

 それには、商人も住民も行政官も元貴族らも暮らす街の建設。

 宿屋も必要と。

 あゆみはルッカ町の成り立ちを話す。


 いまは、ユンド人の食糧確保が優先。

 ユンドの復興で拡張道路を 

 ユンド人が新たに住む都市建設を。


 聞いているユンド人達は途方のない話に再び思えた。




 ルッカ軍は、長い兵站を戻る形で、4方向でルッカへ戻ることになった。


 沢山の戦利品の山々。

 あゆみは一区切りがついたなと感じる。








 




 






 









 

 





 

 

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