第4話 山賊の制圧そして手下

「お前らとは、何ら信頼関係がないが」

「従属契約を結べば、従います」


 従属契約?まだ理解できない世界だな

 雇用契約のような用紙でも存在するのか。


「ここから、出してくれ!」

 煙が洞窟に蔓延したようだ。

「それじゃ、下着一枚で出てこい」

 あゆみは軽症な男に、洞窟を塞いだ荷馬車を少し移動させる。


 咳をしながら一人一人が出てきた。

 軽傷の男に、後ろ手で縛らせていく。

 全員が出てきたらしい。

 洞窟の中を確認させたが、いないらしい。

 後縛りの山賊の縛りを確認する。

 緩い縛りのある者に縛り直させ、その男を斬る。

 重傷な輩にもトドメを刺していく。


「従属契約を結ぶと?」

「はい、頭の私が解除するので、貴方様が契約を結べば成立します」

 クルルと名乗る頭が、一人一人に呪文みたいな言葉を発すると、頭上に円形の形状がでて、消滅。

 全員が解除したところで、クルルから呪文を教わる。

 一同に呪文が発動し、上空に円状が光、消滅した。

「これで、従属契約は終わりました」

「本当か?」

 こうも面白い世界なのか

 あゆみは腕に自信があったので、縄を解かせた。

「新たな頭だ」



「頭、これからの指示を」

「ここの人数は?」

「23人程度です」

 結構殺したので、減った。

「近隣にも山賊がいるのか?」

「少し先に、12人ほどがいます」

「ほう、縄張りがあるのか」

 ソルラン国なので、警備がゆるく、好き放題の世界らしい。

 あゆみは、質問を投げかけた。


 食糧調達は? 農村で奪う。

 農村も町も見なかったが? 道路から離れた場所にあります。

 風呂は? 時々、水浴びを。

 寝場所は? 洞窟か、野宿で。

 こういう生活、馴染めるのか?

 安住した建物・トイレ・風呂場は欲しいな。


「お前ら、安住の地は欲しくないのか」

「頭、無理ですぜ」

「ほう、ザンザン人殺しをした山賊とは思えんな」

「・・・・・・・」

「俺の手下なら、強くなる必要がある」

「・・・・・・」

「向こうに、馬をおいてきた、取ってこい。そうそう道端の死体6体あるので、片付けろ!。後は食事の準備だ」



 あゆみは馬車で休息をとる。

 これからどうするか。

 衣食住を安定しないと、

 

 近隣の山賊狩りで、手下の力量を高めてく。

 警備が緩いソルラン国なら、農村を支配下におき、範囲を広げられる。

 館に住む。

 手下の人数も増やす。

 ソルラン国から文句が言えない規模に。

 手下でなく、信頼できる部下も必要だ。

 いずれ、ユンド国と戦いが起こる可能性ある。

 安住の地は必要だ。

 気楽に旅生活を考えたが、手下を持ったので、状況がガラリと変わってしまった。

 コルム中尉の意見に従って、仕官した方が気楽だったのかな。

 いずれ、ソルラン国は衰退し滅亡か。



 

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