小学生の頃転校していった幼馴染が再会してすぐに「今まで異世界で貴族令嬢として生きてきた」とか言うんだが…これって妄想の話?
ALC
第1話平凡な幼馴染ヒロインと異世界帰りヒロイン
小学校の頃に転校していった幼馴染から十年越しに連絡が届いたらしい。
らしいと言うと何処か他人事の様に聞こえるだろうが。
家が隣の幼馴染である
「
愛海は僕の家を訪れると部屋にやってきていた。
「ん?いつ約束なの?ってかチャットで済む話だろ」
「いや。今から行くんだけど?」
「は?もっと早く言ってくれよ。すぐ準備する」
僕は階下に向かうと一度シャワーを浴びて全身をキレイに整えた。
身支度を最短で済ませて着替えを済ませると自室に戻っていく。
「両親には話したの?」
「うん。うちの親にも勝の親にも話しておいたよ。今日は出かけてくるって言っておいた」
「そっか。ありがとう。じゃあ行くか」
「了解。行こう」
そうして僕らは家を出て待ち合わせ場所である駅前まで向かうのであった。
「待ち合わせ場所はここで良いんだよな?」
駅のロータリーがある広場の時計塔の下で僕と愛海は辺りを確認していた。
「うん。次の電車で来るって」
「そっか。変わっているかな?あいつ元気っ子だったから。変わってないと良いな」
「勝はそうかもね。二人は男子友達みたいな感じだったし」
「そうなんだよ。男子より運動できたしノリも面白いやつだったからな」
「ふふっ。変わってないと良いね」
「あぁ。愛海からしたら変わっていてほしいんじゃないか?」
「どうして?」
「ん?大人の女性になっていたら話も合うだろ?」
「そうだね。でも変わっていないで欲しいとも思うよ」
「だな〜」
そんな他愛のない会話を繰り広げていると、この街には似つかわしくないほどお洒落をした女性が目に飛び込んでくる。
清楚な見た目だが明らかに高価な洋服を着ているようだと僕は思った。
「珍しいほどのお洒落さんが居るな」
隣の愛海に話しかけると彼女は目を細めてその女性に手を振った。
「おい。何やってんだよ。知らない人に手を振るな」
「え?わかんないの?」
「は…?」
清楚系でお洒落なお嬢様風の見た目をした女性は僕らの方へと軽やかな足取りで向かってくる。
「お久しぶりですわ…じゃない!もうこんな口調じゃなくていいんだった。ってか聞いてよ!今まで異世界で貴族令嬢として生きてきたんだけど…」
その突拍子もない話の切り出し方に僕と愛海は顔を合わせて苦笑する。
「
愛海は景子に優しい笑みを浮かべて背中に手を回そうとしていた。
「有り難い限りですわ…って違う!ありがとう!早速行きましょう」
僕と愛海は再び目を合わせて景子が昔とは確実に変わったことを理解する。
僕と愛海と景子の幼馴染三人が繰り広げる恋の物語は始まろうとしていた。
何処にでも居る平凡な幼馴染ヒロイン 愛海
異世界帰り?特殊な幼馴染ヒロイン 景子
そんな二人と紡ぐ少し不思議な恋物語は今始まる!
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