第166話 どう考えても不可解な話

「他人のことなんて考えたってわからないよ」

 と言われてしまえばその通りなのだが。

 もちろん、それには異論もない。


 では何を不可解だと感じているのか?

 例の盗作疑惑の作品というのは、調べてみると全5作あるらしい。

 これは映像版だが。原作はアメリカなので当然原文は英語のはずで、それが和訳されて小説になったとする。だが小説からコピペしたとは考え辛い。

 おさらいするが、トワイライトとは日没後・日の出前の薄明かり、微光という意味。(Google検索引用)意味を理解するとタイトルのつけ方には謎しかない。

 音で決めた可能性は考えらえるが、○○と○○と○○と言う風に既存の何かから着想を得てつけたのだろうか?


 さて、検索してみると映画一本分の文字数は2時間で約4万文字。

 脚本を小説にすると倍になると言っている人がいたので、単純計算で8万文字で1作と考えられる。それの5倍なので40万文字となるわけだ。

 実際にその人が何文字書いていたのか分からないが。


 自分は色んなサイトに自作を転載していた時期があるので、その時に40万文字(現在は分割している)の小説を転載した経験があるのだが。

 修正しつつ転載する作業だったが、かなりの苦行である。短期間でやろうとしたのも原因かもしれないが。 

 つまり何が言いたいのかというと、盗作の場合コピペするなり文字起こしするわけだよね。推定40万文字の作品を文字起こしするのは大変じゃね? って思うわけよ。まったくそのままであれば大変だし、一部変えるとしても完結までやるとしたらつじつまが合わなくなるようなことは出来ない。

 相当の覚悟と根性があると思うが……この人は本当に小説を書くのが好きなのだろうか? という疑問が生まれるのである。

 

 仮にこの映画を観て影響を受けたとする。アメリカのティーンに支持されていた作品でロマンチックらしいので憧れを持ったとしても不思議はないが、その物語が好きだからと言ってまるっと盗作する意味が理解できない。


 物語を書きたいと感じた理由は当然のことながら人それぞれ違う。

 けれども何かを視て物語を書きたいと考えた時は「納得いかない、自分なりの結論にしたい」と感じたり、「物語のその先を書きたい」と思ったり何かしら手を加えて自分の世界にしようとすると思うんだよね。

 それが物語を作るのが好きと言うことだと思う。


 まるっとそのまま文字起こしをするならば、それはどちらかというと「翻訳」の分野になってくるのではないかと思うわけだ。翻訳ができるかどうかは別として。

 となると、原作の小説版買ったらどうよ? と思ってしまうのね。

 説明が下手なので、俺が言いたいことが正しく伝わっているのかわからないけれど。

 もしくは感想のエッセイでも書いた方がいいのでは? と思うわけよ。


 何故こんなことを思うのか? 

 他にもパクっていると疑われている作品は、一部をネット検索するとそのままのセリフで原作などがヒットしてしまうと言う話を聞いたから。

 そのつぎはぎの何かというものに思う。

 この人は本当に物語を書くのが好きなのか? と。


 これを読んでいるあなたは「パッチワーク」というものを知っているだろうか?

 パッチワークとは……開拓時代のアメリカでは布が貴重だった為、使える部分を繋ぎ合わせて間には綿などを詰めて寝具にしたらしい。そうやって作った掛け物のことパッチワークというようだ。(Google検索)

 

 つまりこの人の小説はパッチワーク小説といっても良いのではないかと思ってしまう。他人の作品の一部を切り取ってくっつけて作り上げられる作品そのものには、俺は特に思うことは無いけれど、小説を作るのは好きなのか? という疑問がやはり残る。

 いっそ二次創作でもしてみたら良いのでは?


 実力や才能云々以前にそこなんだよな……謎だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る