第121話 少数派は理解され辛い

 こんな話をしても、きっと理解され辛いとは思うけれど。

 吐き出さないとそろそろ限界なので。


 全世界向けのゲームをしているという話はしたが。

 似たようなゲームはたくさんあるらしいので大体こんなヤツと想像出来たらいいなと思う。

 ギルドがあって、自分のギルド以外の人なら戦争を仕掛けることのできるゲーム。チャット機能があって、翻訳機能も充実しているのでいろんな人と話すことが出来る。しかしながら、一部意味が分からない翻訳も存在はする。

 それでも大体何を言っているのか分かれば、それなりに会話は成立する。


 ただし、その中でも日本語はやはり一番楽な言葉だと思えるのは、うち間違っても誤字脱字があっても伝わること。これを他国の人に向けると意味不明になってしまう。そう考えると、日本語は凄いなと思える。

 主語述語がなくても伝わるしね。


 例えば『雨が降ってきたね』と言わなくても、『あ、雨』だけで伝わるのも日本語の特徴。日本語で大切なのは(口頭で伝える時に)ニュアンスであって、文法ではないというのはこれでわかると思う。

 これが文章になった時、初めて文法が大切になるわけだ。

 だから難しいのか? むしろ臨機応変だなと俺は思うんだが。


 さて、本題。

 

 あなたはオンラインゲームをする時に何を重視しますか?

 俺は環境なんだよね。チームやギルドがある場合は特に。合う場所に所属出来たら何年でもプレイできるけれど、合わなければ半日しないうちにやめるだろう。


 さて、ゲームをはじめて10日くらいになるのだろうか?

 日本人が自分しかいないギルドで『世界には差別がある』というのを意識しながらプレイしていたのだが……。

 何故か気づけば幹部クラスw

 昇格するたび歓喜していたが、ギルド内ではランクが1から5まであるんだよね。5がリーダー。4が幹部クラスで特別な権限を持つ。

 リーダーが自分を昇格させてくれた時は非常に嬉しかったね。


 自分はそのギルドにいるために(追い出されないために)上を目指していただけだけれど、気づけば攻撃力も上位。(ギルドの中では)

 性格は何処でも出るよねと思った。


 以前言ったかもしれないが、『お前は何をしても辛そう』と言われたことがあってゲームでも仕事のように行ってしまう。だから楽しいよりも自分の縛りに苦しめられる。

 しかしこのゲームと環境は自分に合っているのかもしれないと思う。

 戦争をするゲームなので(任意で)強くてアクティブだと引き抜きの話が来ることはある。けれどもその度俺は思うのね。

「あなたたちは他人を数字でしか見ていない」

 と。

 つまり数字でしか見ていない場合、より強いギルドを目指すなら強い人と弱い人の入れ替えをしなければならないよね? となるとギルド内で常に競わなければならない。疲れるでしょ、そういうの。

 そして数字で引き抜かれて移動する人はギルドに愛着はない。なので強くなって更に強いギルドから引き抜きに合ったら簡単に移動するよね。

 その結果、人は定着しないし連携は取れないし信頼関係も築けない。

 

 これはゲームだよ。

 勝ちに行こうと思ったら大切なのは強さじゃない。チームワークだと思うんだよね。

 俺にとって重要なのは強いか否かではない。

 誰がリーダーなのか?

 誰になら信頼してついていけるのか?

 自分を簡単に切り捨てるリーダーよりも、部下として信頼してくれるリーダーの方がいい。俺はね。

 うちのリーダーは穏やかな人だと思う。幹部たちを信頼しているみたいで独走しない。幹部も自分だけで決定せずに相談して行動を決める。その空気がとても好き。

 ゲームを楽しめるかは人による。

 数字ではなく人の特性を見て人事を考えるギルドは信頼に値する。非アクティブユーザーが切り捨てられるのは仕方ないとは思う。


 でも、アクティブユーザーを作るのは環境だと思うんだよね。

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