第79話 書くのが難しくて止まっている話
Temperature of love~切なさと情熱と君~
そもそもどんな話なのかと言うと。
主人公の通う大学ではその年、web小説を書くのが流行っていた。公開したら誰かに読んで欲しいと思うものだし、文学科の学生なら少しでも頭良さげなものやオリジナリティに優れたものを書きたいと思うよね?
そんな感じで彼らは切磋琢磨していた。
その中で、同じく文学科の学生だった主人公の和宏は彼らの小説をコッソリ読んでレビューを書いていたんだよね。しかしレビューに定評があり、これを書いたのは誰なんだと言う筆者探しが始まる。
人間だから、こんなレビュー自分も書かれたいと思ったら書いている人とお近づきになりたいものでしょ。結果、主人公は身バレした。
ここまでが前提。
いつも思うんだけど、読む力と書く力って違う。
どんなに伏線を上手く張り巡らせることが出来て、含みが得意だとしても。読む時に含みが理解できるとは限らない。
そしてどんなに上手く小説が書けたとしても感想が得意とは限らないし、エッセイが得意だとは限らないんだよね。
特に客観性が欲しい時は他人の力を借りねばならない時もある。
そんなわけで主人公は客観的に見てどうなのか、彼らから相談を受けるようになった。
そしてある日彼は、ある女子学生が【誹謗中傷】に苦しんでいることを知る。
これが全ての始まり。
人間には当たり前のことながら、いろんなタイプの人がいると思う。
主人公は『一般的に理想とされている女性らしさ』というのが苦手。
現代では個が尊重されているとは思うが、一部の男の頭の中は未だに昭和としか言いようがない。一歩下がって男を立てる、受け身で淑やかな女性というかね。
俺も正直、そういうタイプは苦手。
努力と忍耐の上にあるとは思うけどね。
何というか、男女関係なく自分の人生は自分の意思でしっかりと生きていくべきだと思う。流されることなく、誰かの人生の一部でもなく。
女性は決して男を立てるための道具ではないのだから。
だが、この物語の場合は性格とかスタンスではなく、見た目の話。
一般的に『女性らしい』と思われる格好を好む女性が苦手で、主人公もその子に対しては苦手意識を持っている。逆を返せば女性として意識しているとも言える。
そんな彼には幼馴染みがいて、唯一気さくに話せる女性。もちろん好意を持ってはいるが、彼女には親の決めた婚約者がいて……というのがあらすじ。
ここからは解説になるけど。
この物語では別に駆け落ちもしないし、略奪もしない。
現代ものであり、彼らは地に足のついた生き方をしているので、考え方も現実的。
仮に幼馴染みと駆け落ちしたところで、明るい未来が待っているわけじゃない。ちゃんと大学を卒業し、それなりの会社に就職し安定した生活を得るべきだと思っている。だから主人公は自分の恋を諦める道を選ぶ。彼女の願いを叶えながら。
一応、卒業までは自由ということだったからそうしたんだけど、主人公はそれが罠だと気づく。気づいた時にはすでに手遅れだった。
もっと慎重に行動していたら幼馴染みは卒業まで自由でいられた。
自分の選択ミスで彼女を苦しめることになってしまった彼は苦悩する。とは言え、現状は変わらない。そんな時、気分転換で参加した合コンに例の女子学生が参加していることを知る。
人は弱っていると判断を誤る。主人公もただの人間なので道を踏み外してしまう。
一応カテゴリは恋愛もので、主人公たちは学生だけど……大人向けですね。
学生が好むような話ではないw
どちらかと言うと、ドロドロしているとか、苦悩まみれが好きな人向けだと思う。
俺は不人気作品しか書けない。
でも書きたいものはそれなので、まあいいかと思っている。
読まれるだけが全てじゃないしね。
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