第29話 web小説が好きなわけではなく素人の作品の方が好きな理由

 だいぶAIが生活や仕事に馴染んでいる人も多いと思う。

 AIイラストというのが出た時は、イラストを描く人達の仕事が減るのではないか?  という懸念もあった。

 確かに今まで有償で描いてもらっていた人が自分で作れるようになったなら、そういう人たちの仕事は減ったのではないかと思う。


 でもその需要は受け手ではないんだよね。

 AIイラストは整ってはいるが、はっきり言って個性がないのが難点。

 だから一回見たら十分だなと思う。

 その一枚をという意味ね。


 個性があるものは凄く印象に残ると思う。

 世の中には上手いとは言えなくても印象に残っていて、味があって好きなキャラってたくさんいると思うの。

 それは『美人は三日で飽きる』という言葉で表現される意味合いに近いかもしれない。

  辞書には【美しい容姿の女性を恋人にしても、その魅力はすぐに感じられなくなってしまうという考えを表す語】と書かれているように、飽きると言うよりはマヒするに近いかもしれない。


 自炊や家庭料理が飽きづらいのも常に同じではないからだと思うのよ。

 特に目分量で味見しながらなら、その時の作り手の体調にも左右されるしね。

 お菓子で考えると既製品はいつも同じ味がするから毎日食べ続ければ飽きが来る。

 そして毎日食べているにも関わらず、あまり特徴を表現することはできないと思う。食レポが上手い人ならいけるかもしれないけどね。

 つまり印象に残らないのよ。


 これを小説に置き換えた場合、確かに内容はそのままだろうけれどプロの校正を通すことによって印象が変わってしまうことがある。

 もちろん誤字脱字やスペルミスなどは直した方が良いとは思うが、変だなとは思っても個性と思われる言い回しってあると思う。


 『どれ読んでも変わらない』はそういうところにもあると思うの。

 個人とした時は似たようなのばかり書いているも含まれるかもしれないけど。

 つまり整い過ぎているものは『個性』を感じないのでイコール感がないんだよね。


 個性があると、見ただけでこの人の作品だとわかるでしょ?

 声優好きの人なんかは声を聴いただけで、誰があてていると分かるかもしれないし。それはやはり特徴があるからだと思うのよ。


 別にAIイラストが良くないとか、校正通した作品が良くないとかそういう話ではなく、人は個性があるものに強く惹かれると言う話。


 だから『上手い』とは恐らく整っているを差すんだと思うのよ。

 なので『上手いけど……これは読まないな』は存在する。それは整っているだけで、面白味がないのだと思う。

 面白味の『み』は味だしね。

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