第12話 無情という役割

VIP席。最上第九席のみが入ることを許可された、一般席に比べてかなり落ち着いた席。現在そこには七人の人間が座っていた。愛蘭は試合中、遺華は最上第九席に苦手な人間がいるため一般席で観戦している。


「アイツ・ウキツヨリ=ツヨーイ」


 最上第九席第五席、「維守絆生いもりはんしょう」。何故か全ての言動が誰かの名前に聞こえる大柄な男性。「鎧の神器」の使い手であり、どこであっても神器を外さない。


 彼の今の発言を翻訳すると「あいつ浮津より強い」。天爛を見ながらの発言であった。


「純粋な身体能力じゃあ五分だろうけど、神器の能力の応用性、使い方は彼女の方が上手いね」


 そう言ったのは金髪の爽やかな青年。最上第九席第六席、「添輝夜そいきよる」である。優しげなオーラが漂う、部下からの信頼も厚い好青年。使用するのは「翼の神器」。


「ハッハ!あのガキ初心者だなぁ!愛蘭の筋肉の付き方見たら近接格闘型ってわかるだろうよぉ!」


 どこまでも相手をバカにしたように喋る、音楽家の燕尾服を着た小柄な青年。最上第九席第八席、「漆秀徳うるしひでのり」。ツンツンした髪が攻撃的な印象を与える。


「いやそんなの初見でわかる人はいないよ。愛蘭はスーツ着てるのに」


「ばっかだなおめえ、そんなんも見抜けねえ奴が最上第九席と張り合える訳ねえだろう!?」


「それはそうだけどさ」


「フタリ・トモ・キビシー」


 VIP席で会話しているのは主にこの三人だ。いつも漆を中心にバカなことをしている為、「三バカ」と呼ばれることも多い。他の四人は天爛と愛蘭の試合に対して純粋に「可哀想だなぁ」とか「相変わらず遊ぶのが好きだな」とか思いながら黙って試合を観戦している。


 三バカは全くの同時期に最上第九席入りし、歳が近くウマが合うためいつも一緒に騒いでいる、仲良し組だ。因みに漆と遺華は非常に仲が悪く、出会う度喧嘩している。


 各々感想を述べながら痛めつけられる天爛を見ていると、情報伝達係の少年が入室し、全身を漆黒に包んだ、フードを目深に被った青年に声をかけた。最上第九席第二席、「鬼路鐘充きじかねみつ」。


「第二席様、少々お時間いただけますか」


 鬼路はその言葉を聞くと、腰に刺した刀を鞘ごと引き抜き、床を削り文字を書いた。


『ぜ』


「せめて漢字を使っていただけると非常に助かります」


『わかった』


「漢字を使わない文字使えばいいって訳じゃないんですよ」


「おい口ボンド!床に傷付けるんじゃねえ!」


 鬼路は非常に無口だ。同僚である最上第九席でさえ彼の声を覚えている者は少ない。ついたあだ名は「口ボンド」。


 どこかムスッとした雰囲気を醸し出しながら鬼路は立ち上がり、それと同時に「こちらです」と情報伝達係も歩き出した。鬼路はその後を黙ってついていく。


 VIP席へと繋がる道も、一般席と変わりは無い。どこまでも続くような白い通路だ。


 ある程度進んだところで、鬼路が立ち止まる。不審に思ったのか、係も立ち止まった。


「いかがなさいました?」


 鬼路が懐から紙と墨を取り出し、紙に何か書くと係に手渡した。


『そもそも用とはなんなんだ?』


「私は伝達係ですので、知らされておりません」


 ぴくりと鬼路の表情が動き、流れるような動きで別の言葉を書き、少年に手渡した。


『誰に伝達を頼まれた?』


「えー……あれ?」


 鬼路が刀に手をかけた。ツバから硬質な輝きが。


「思い出せません」


 目撃した者が特徴を語ろうとしてもできないだろう。あまりにも存在が薄すぎる。


啄木鳥きつつき


 一瞬で刀を引き抜き、直線上に突く。啄木鳥、前方直線上に不可視の鋭利な斬撃延長を放つ奥義の名。あまりの勢いに前方を歩いていた係の髪が巻き込まれ、一部が千切れる。


 刹那、何もなかったはずの空間から真っ赤な鮮血が舞い散った。伝達係が悲鳴を上げて鬼路に背を向け後ずさる。


 ガシャリ、と音がして誰もいなかったはずの壁から現れたのは、特徴の一切ない外見をした男。


「な、ゼ……」


 鬼路は答えない。姿を現した不審人物を抹殺するために刀を振るう。少年など最初からいなかったかのように。


完抜かんばつ


 360度から不可視の斬撃が不審人物……残武螺金を襲う。完抜、抜刀後のみ使える、全方位から不可視の斬撃で攻撃する、使い勝手のいい奥義。鬼路が最も多用する技だ。


 刀の神器。能力は「斬撃延長、斬撃創造」。


 だが残とてレベル4神器の使い手。そう易々と傷は増やさない。周囲の壁や床をアメーバ状の猛毒へと変質させ不可視の斬撃を防いだ。ザバリと音を立てて液状の毒の壁が切り裂かれる。しかしそれは液体ということもありすぐに修復し残を守る絶止の盾となった。


 毒の神器。能力は「接触物質の猛毒性物体への変質」。


 思わず舌打ちしたくなる。修復可能とはいえ、アメーバの表層が切り刻まれた。弾性、粘性の高いこの毒壁を切り裂ける威力があるというだけでも十分に脅威だ。


 毒の神器、鉄の神器、水の神器。こういった接触物体や対象物体を操るタイプの神器は、弱い。特に対神器戦において弱い。


 なぜなら、操る物体が神器と判断されないからだ。あくまで彼らの神器は体内に取り込んだ一欠片の神器のみ。操る物体には「神器は神器を破壊できない」というルールが適用されないのだ。わかってはいたが、本当に大きすぎる欠点だ。今まではそう破られなかったからいいものの今回はそうもいかない。守りではなく、攻撃主体の戦法の方がいいか。


「…………」


「…………!」


 アメーバを触手状に加工し一攻撃に転じようとするが、一瞬、残酷な光を目に宿した鬼路が、無言のまま神器を大上段に構える。残の脳内にある情報が鮮明に蘇る。鬼路鐘充の切り札、「鴉」。大上段から前方の対象に一気に振り下ろす、超射程、超範囲の不可視の斬撃。この程度の通路なら、残を巻き込みながら容易に全壊させることができる。先程の「完抜」の威力から考えると、彼のアメーバ状の猛毒でさえ紙くずのように切り裂かれるだろう。


 (バカな、有り得なイ……!)


 何とか回避せねばならないが、毒の神器は回避ではなく防御に特化した神器。スピードを出すことはできない。それに今、残は鬼路の啄木鳥によって肩を撃ち抜かれている。ただ身を捩るだけでさえ激痛が邪魔をする。


 かつてない焦燥が胸を焦がす。完全に想定外の行動をとる鬼路に軽いパニックを起こしそうになる。


 その時彼の視界に映ったのは腰を抜かしたまま立ち上がれないでいる情報伝達係の姿。なぜか彼は残ではなく鬼路に対して怯えているように見えるが、混乱しているだけだろうと無理やり判断する。そこからの行動は速い。


 予備動作なしに自身の防御に使っていた猛毒を鞭のようにしならせ、毒素を抜いてから少年の首に巻き付けて引き寄せた。ギリリと絞めると、少年の喉から苦しげな息が漏れる。


「第、第二席!神器を下ろせ、こいつを殺されたくなけれバ!」


 人質を取れたお陰か、冷静な部分が戻ってくる。我ながら小物臭いことをする、と自嘲する。だが、こうでもしなければここで殺されることは明白だ。


 ……認めざるを得ないだろう。鬼路は想定を遥かに上回る強さを持っている。情報から読み取った強さの数段上を想定していたが、それも見当違いだったようだ。


 一旦逃亡し、ケスクと一緒に攻撃を仕掛けてようやく相討ち、といったところだろう。他の隊員を狙ってもいいが、これだけの戦力は見逃せない。


 だが、ここまでして尚、鬼路は神器を構えたままだ。感情の薄いその顔を見て、少年が異常に震え出す。


 (痙攣性の毒は表出させていないはずだガ……)


 彼が疑問を抱き、鋭い目付きで鬼路を睨んだ。


 刹那、閃光が瞬き、通路が灰燼と帰す。残は知らなかった。鬼路鐘充がエスティオンにおいてどんな役割を持つのかを……


 ――――――


 時は僅かに遡る。


 ケスクと別れた残は基地の裏側から侵入し、片っ端から特級神器部隊員を暗殺していった。と言ってもほとんどが観戦に行っているので片手で数えられる程度ではあるが。本当なら天爛が拘束したまま放置していた一級も暗殺したかったが、無闇な殺生は自分たちの流儀に反する。まだ雑な部分が残る天爛の拘束を更にキツくしてそのまま放置した。


 鍛え上げられた聴覚で試合場の熱狂を察知する。レギンレイヴでは味わうことのないその雰囲気に、かなり大きめの違和感があった。


 天爛はまだ粘ってくれているようだ。それに安堵を覚えながらも、一抹の不安が胸をよぎる。


「無事だと、良いのだガ……」


 死地を迎えたことを実感し、つい走馬灯のように思い出す。天爛との出会いを。


 その頃は残もケスクも神器のレベルは3で、長い間それ以上進化できずにいた。レギンレイヴなどという大層な名前を名乗りながら、繰り返される戦闘とそれによる被害を止めることができず、このまま腐っていくと思っていた。果てしない無力感に苛まれていた。


 天爛が加入した。この世界に生きているとは思えないほどに生気に満ち溢れていて、一目見た瞬間に感じた。彼女こそ、我々の女神になると。


 彼女はいつも懸命に訓練に励み、すぐに頭角を現し、先輩すらもどんどん抜いて行った。そしてそれに対して誰も妬みも嫉みもしない。それが当然だと理解しているから。


 それ以降レギンレイヴは大きく進歩した。残やケスクはレベル4にまで至り、全員の瞳に希望が宿った。彼らの心は一つ。誰よりもひたむきな彼女のために動き、彼女の笑顔を見るためならばどのような任務でも……


 頭を振って回想を断ち切る。ここは敵地。過去の思い出に浸っている時間はない。次の獲物を探すため、感覚を集中し気配を探る。特級ではないが、見つけた。


 そこにいたのは一人の少年だった。資料を手にし、忙しそうにあちらこちらを行ったり来たりしている。どの組織でもいる、情報伝達係というやつだろう。


「……」


 一瞬思案した後、近くにあった研究員用更衣室に忍び込み、一着白衣を拝借して少年の前に立った。


「君、悪いが鬼路隊員を呼んでくれるか。ここで待ってるから」


「は、かしこまりました」


 肩から提げたかばんの中に持っていた資料を突っ込み、少年が駆け出していく。それを見届けると、彼は壁に触れ、アメーバ状の毒にした後開いた穴に入り込み、毒を隠れ蓑にして紛れた。レギンレイヴの諜報員に伝わる隠密術に彼の神器を組み合わせた、彼だけの技だ。


 隠れながら鬼路についての資料を読む。


 (鬼路鐘充、最上第九席における最前線戦闘員……)


 一人でも最上第九席を削る。それが彼とケスクが自分たちに課した役割だった。


 その中で鬼路鐘充を選んだ理由は至って単純。戦闘において最も重要と言っても過言ではない、最前線戦闘員だからだ。


 鬼路鐘充の戦闘方法は至ってシンプル。敵のど真ん中に突っ込み、斬り伏せる。これだけだ。


 通常の場合、こんなことをすれば即命を落とすのだが、鬼路は決してそんなことにはならない。必ず敵を全員倒し、生還する。


 これは純粋に彼の突出した剣技と神器の能力を合わせた独自の刀術によるものが大きい。だが、彼が必ず勝利できることには、もう一つの要因がある。


「蝙蝠……」


 それは彼が生まれ持った能力と言うべきだろう。その能力が観測されたのは少し前のことだ。


 かつてエスティオンを疑似魔神獣の大群が襲った、「鏖魔戦争」と言われた事件があった。百や千などではない、数万の疑似魔神獣が徒党を成してエスティオンを襲った。


 エスティオンは総力戦でそれを迎え撃ったが、じりじりと押されていき、敗北は時間の問題に思われた。当時スパイとして潜り込んでいたレギンレイヴの諜報員も死を覚悟したという。


 そんな中、一人その大群の中に飛び込んだのが、最上第九席に選ばれて間もない頃だった、まだ新人だった鬼路鐘充だ。彼は刀の神器を手に、勇猛果敢に攻め込んだという。


 誰もが彼の死を覚悟した。が、現実はそうはならなかった。なんと彼は絶え間なく襲い来る疑似魔神獣の攻撃を目にも見えないほどに小さな動きで躱しながら、一匹一匹丁寧に斬り伏せていったのだ。


 推測するに、彼の能力は音響反射。異常発達した聴覚による広域把握。レギンレイヴの付けた名は「蝙蝠」。音や振動の反射で周囲を観測する、蝙蝠のような能力。実際彼は良く喋る人間とはあまり接触せず、彼も普段はほとんど喋らず、フードで気付かれにくいが耳栓をしており、外したこともない。それに当時のスパイが盗んだ情報が正しいのなら、彼は定期的に耳鼻科の医者の元に行っているという。


 彼はこの能力と刀術、神器の能力を最大限駆使し、その場から一歩も動くことなく、また息を切らすことも無く、淡々と疑似魔神獣を滅ぼした。その数、2369匹。一匹も後ろに通さないその戦いぶりに、思わず見惚れてしまった者も多いという。


 そこでキリがないと察したのだろう、一旦仲間に戦闘を任せて自陣まで後退し、今度は隙だらけの大上段に神器を構えた。誰もが注視した。何をするつもりか、と。


 その次の瞬間、彼の前方の全ての景色が閃光に包まれ、次に光が消える時には疑似魔神獣の姿など影も残さず消え失せ、どこまでも細かく刻まれた荒野しか残っていなかったという。鬼路鐘充の切り札、「鴉」。


 この時エスティオンの人間は悟った。彼の実力、そして無情さを。目標のためなら仲間も切り捨てる非情さを。


 彼は仲間に戦闘を任せて後退し、仲間が逃げる時間を置くことなく「鴉」を放った。つまり、味方殺しを顔色一つ変えることなく平然とやってのけたのだ。


「勝利のためなら味方ですら殺す……恐ろしイ……」


 だが、今はそうでは無いことはわかっている。これもレギンレイヴのスパイのお陰でわかった情報だ。


 鬼路鐘充は率先して人を殺す訳では無い。また、「鴉」を対人で放つことは禁止している。上層部からも他の最上第九席からも対人戦は控えろと言われており、殺しも二度とするなと口うるさく言われている。もう仲間殺しは起こらない。


 この事実を知り、残の脳内に浮かび上がる感情は安堵。人質を使える、ということはかなり大きい。非常時は先程の情報伝達係の少年を人質にして逃げよう。その手段が使えるだけでもだいぶ違う。


 そして時は戻る。残の肩を鬼路の「啄木鳥 」が撃ち抜いた。

 苦しげに「な、ゼ……」などと言ってみたが、見つかった理由は容易にわかる。少年の声の反響で、否、それより前。響き渡る足音で壁の異常に気付いたのだろう。


 残は知っている。自身の情報を知らない敵と戦う戦士は、手札を隠しながら戦う。故にこちらは全力を出せない敵と戦うことになる。更に敵が何を繰り出そうが対処することができる。つまり常に優位に立てるのだ。


 過剰に焦って防御をするフリをする。案の定、鬼路は少年を巻き込みかけたものの、少年を殺してしまわないように、ギリギリで「啄木鳥」の軌道を修正した。勝機はある。


 が、予想外の負傷だ。肩が撃ち抜かれるなど想定外だ。そんな軌道では少年を殺しかねない。本当にただ殺さないだけなのだ、と鬼路の恐ろしさを実感した。


 毒のアメーバが切り刻まれ、改めて自身の神器の弱さを痛感する。が、やられっぱなしではない。


 飛び散ったアメーバを少しづつ気化させ、大気に混ぜる。この通路を、毒素で溢れた地獄へと変質させる、毒使いにのみできる戦法。壁にも何処にも影響はない、人体にだけ損傷をもたらす彼特製の秘毒だ。


 このまま鬼路の攻撃を防ぎ続け、毒でじわじわと殺す。その予定だった。


 だが、鬼路は「鴉」の構えをとった。


 (バカな、有り得なイ……!)


 急いで人質を取り、少しだけ冷静さを取り戻すと、鬼路の構えはハッタリではないか、という考えが浮かび上がる。よくよく考えると鬼路は人に「鴉」を放たない。それに仲間が近くにいるのにそんな超威力の技は使わない。ただの威嚇だと気付けなかった自分が恥ずかしくなる。


 このまま人質を抱えて脅そう。肩の負傷のせいで万全ではない。非常時に対処できない。ケスクと合流しなければ。なぜ少年は震えている?


 いくつも思考を並行させながら鬼路を睨むと、彼の神器から眩い光が放たれた。


 そこで。


 思考は消し飛んだ。残と少年の命と共に。


 かつて鬼路に関する情報を盗んだスパイは完璧に任務をこなした。ただ、彼の周囲を調べあげ、彼の誓いを調べあげ、彼の行動を調べあげた。ただ彼の性格と役目を掴んでいなかっただけだ。


 ――――――無情。それが彼の役目だ。


 エスティオンは甘すぎる。強く激しく、敵さえも導く。組織がそういった方針を取り、組織の頂点が自然とそうしている。どこまでも人類全てを救うのに相応しい。


 対人戦の頂点、愛蘭霞は時に打ちのめし、時に寄り添い、敵であろうとも優しく導く。


 筆頭研究員にして指揮官、天道道流は心が脆い。敵であろうとも、罰を与えることも命を奪うことも出来ない。


 他の者もそうだ。特に仲間に対して甘すぎる。皆決死の覚悟で戦っているというのに、いつ死んでもいいと思っているのに、仲間のために何度任務を失敗し、そこに付け込まれ何度敵に欺かれ、奪われ、裏切られてきたか。


 必要なのだ。欠片ほどの優しさももたず、無慈悲に。組織のために、人類のために、一切の慈悲を持たずに行動できる存在が。いくら仲間に制止されようと変わらぬ心を持つ者が。己の誓いすら抑止にならぬ者が。


 故に彼は存在する。どこまでも、ただただ己の属する組織のために、人類の未来のために戦う、一切の慈悲なき戦士。


 今後リスクを残す可能性があれば仲間を犠牲にしてでも叩き潰し、欠片ほどの罪悪感も抱かない、機械のような者。


 鬼路鐘充。


 消し飛んだ少年と残、白い通路を少し眺めた後、彼は建築班に「V23通路が消し飛んだ」とだけ言ってVIP席に戻った。誰も彼らのことを覚えてはいない。

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