異世界ともふもふと私

@maruo888

第1話 寝て起きたら異世界だった


社畜生活!?

長いといえば長い


だが まだほんの5年程度だ…


朝 暗いうちに起きて

飯を炊き 握り飯を作る

それは昼飯分だ


朝飯は 米とたくあん2枚


そして夜中終電ギリギリで帰れたらいい方

最悪 夜中の2時3時に帰宅

その時間には、とうに交通機関はない

金もないから

ぼちぼち徒歩で帰るだけだ


二駅と半分程度の距離だから

大したことはないといえばないが

疲れ切った身体にむち打って足を前に進ませるのは辛いものがある


本当は 料理人になりたかったが

親に反対され一般の会社へ就職した

それが ブラック企業とも知らずにね…


その他に好きな物といえば

動物だ

実家では柴犬と何かの混合だった雑種を飼っていた

小さい頃は、よく河原でボール投げをして遊んだものだ

どんなに遠くへ投げても必ず拾ってきた

俺が働きはじめてすぐに老衰で亡くなったと聞いた

胸にぽっかりと穴が空いてしまったような淋しさを感じたのは 今でも忘れられない


はて

なんでこんな事を考えているんだろう


さっき残業が終わって帰路についたところだったはずだ

家について寝ているのだろうか?

…でも 家についてホッとした感覚が何も無い


???


『お前の希望は分かった

 新しい人生を与えよう

 次こそは のんびりゆった   り過ごされよ』


ふわりとした浮遊感の後

緩やかに眠りに落ちていった






何だか懐かしい匂いだ

何の匂いだろう…


草と土の匂いだ


幼い頃に行った 河原の草の匂いだ


…ここは?


あの河原だろうか?


まさかね


でも この香りは間違いない


ハァハァハァ…


荒い息遣いが近づいてくる


ベロン…


えっ!?


ペロベロベロ…


「わぁーーーっ!!!」


飛び起きたら

犬が顔を舐めていた


あたりを見回すと 知らない景色

森の中


空を見上げれば 満月だ

湖面でもあるのか?空に!!


つ…月が2つある


ここは誰?

私はどこ!?


「なんじゃコリャァァァ!!!」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界ともふもふと私 @maruo888

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る