「一つの景色」
梅雨の朝に、遠くの方で、
雲がかかり、富士の山が見えず、
それに陽はほそぼそと
ほそぼそと射しているのであった。
陽の様子といったら、卵の黄身のようで、
それでいて非常に薄い黄色の布のようで、
見るたびに、ほぞぼそと
かすかな色を出しているのだった。
さて道の先に、目にとまる一人の女性が立ち
薄い、なんとなくやんわりとした
傘を手に、持っているのだった。
やがてその女性が傘をさしてかくれ、見えなくなると
今まで何も変わらなかった空から雨が
ほそぼそと、ほそぼそと、降ってくるので
あった・・・・・・
※中原中也「一つのメルヘン」を参考にした作品です。
【作成日】[2013.6.10(月)]
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます