第21話 ログハウス ノア

青たちは絶望の廊下に戻った。


青は振り返って絵画を観た。

「絵の子が閉じたパソコン見ながら微笑んでる!」


ノノカ

「そうよ、クリアすると絵画が変わるのよ。きっと綾野さん、喜んでると思うわ。良かったね。」

「そうだね、僕もなんだか嬉しい。あ、話は変わるけどノノカ、戻る前に安城先生になってたけどあれは何?」


「うん、先生はね、あたしたちサポアニの意思を自由にコントロールできるの。なのであたしを使って言葉を伝えたんだよ。」


「そんな事もできるんだ。まだ色々知らないことが出てきそうだな。」


ノノカ

「そう。まだまだいっぱいあるよ。その一つがここ。ほら “解錠の仕切り”がなくなってるでしょ。通ってみて。そして左側をみて。ドアがあるでしょ。」


「本当だ、仕切りがなくなってるし、新しくドアができてる!このドア、どこに繋がってるんだろう。開けていい?」


ノノカ

「いいよ~。」


青はドアを開けた。するとログハウスのような木製の入り口があり、「ログハウス ノア」と書いてあった。


「もしかして、ホテルみたいな所?休むことができるわけ?」


「そうだよ~。ソファもベッドも、キッチンもあるよ!もちろん料金はかかるけどね!」


「あ、やっぱり…。ちなみに料金は…。

☆ショートタイム 1室 2名様の料金☆

5時~深夜1時 2時間のご利用 3,960ブラン

※3名様のご利用は+1,000ブラン


☆ご宿泊 1室 2名様の料金☆

17時~20時59分までの入室で翌12時までのご利用 6,930ブラン

※3名様のご利用は+2,000ブラン』

(な、なんか如何わしい料金表…。『一泊朝食付き』とかじゃないんだ…。)


ご、合志先輩、宿泊でいいですか?」


「え、ええ、いいわよ。でもあたしお金持ってないけど…。」


「僕が出しますよ。確か先生にも言われました。仲間の分も僕が払うこと、って。」


「じゃあ甘えるね。ありがとう!」


「まさかノノカに宿泊料かからないよね?」


「ちゃんと料金表みてよ。『ハツカネズミは無料、それ以外は1名となります。』って書いてあるでしょ。」


「あ、本当だ、誰も読まない契約書みたいにちっっっちゃく書いてある(後出しジャンケンじゃん…)。わかった。みんなで泊まろう。」


青は1泊3名を選んで腕時計をタッチパネルにかざした。すると『202』と書いてあるキーカードが出てきた。


入り口を入るとエレベーターがあり、誘導されるように白いライトが点滅していた。

2階に上がるとドアが全部で4つあり、202のドアのプレートがピンク色に点滅していた。


(なんかほんと如何わしい)と思いながら青がドアを開けると、部屋は2つあり、それぞれに木製のシングルベッドと大きなソファとガラステーブルがそれぞれ1つずつあった。


「僕は右の部屋で。ノノカは先輩と一緒でいいよね?」


「ほんとはあたしと一緒がいいんじゃない?」


「ホントはね。さて荷物置いたらキッチンに行きましょう。今日なんにも食べてないからお腹減っちゃって。」


「そうよね、私も食べたい。」

「あたしも~。」


3人は1階のキッチンへ行って、青はハンバーグ定食、合志はきのこのパスタ、ノノカは人参を選び、買っておいたペレットと一緒に食べていた。


青が話しだした。

「今夜はゆっくり眠れそうです。昨日ほとんど寝ていなかったので。でも合志先輩が来てくれて、しかも仲間になってくれるとは思っても見なかったのでほんと、心強いです。」


「ねぇ、青くん。ここでは美姫でいいよ。私も青、って呼んでいい?弟欲しかったんだよね、それで名前で呼び合うの、外国みたいに。私洋画が大好きだから憧れちゃっているのだよね。この世界なら大丈夫でしょ。どう?」


「僕はいいですけど、なんか照れますね。先輩綺麗だし…、ぶえっっ‼」

ノノカの左足ストレートが青の頬にヒット。


「なにデレデレしてるの‼」

ノノカは不貞腐れた顔で人参を頬張って言った。

「あたしは美姫ちゃんでいいよね?改めてこれからよろしく‼」

「こちらこそ、ノノカちゃん。」


3人は今日の出来事や他愛もない話をして食事を楽しんだ。



食事が終わると3人は部屋に戻って、シャワーを代わる代わる浴びると、部屋のベッドで休んだ。

「今度はどんな問題が待っているのだろう…。美姫さんも加わってくれたし、楽しみだ…」


考えている間に青は深い眠りに着いた。

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