第11話 挑戦説明 その1

「先生、本題に入りたいのですが。」


「本題?あぁ、廊下のことかの?」


「そうです、まず3つの廊下でやる挑戦?を具体的に教えてください。」


「そうじゃの、青くんにはまだ説明していなかったの。ではまずこれを渡そう。この教室と君を結ぶ腕時計型通信機じゃ。常に肌身放さず付けておくこと。外すと通信が途切れ、復旧にはこの教室に戻ってぺありんぐせにゃいかん。つまり、入った廊下をクリアしなきゃいけないのじゃ。

昨日行方不明になったのが11人いる、と言ったのを覚えているか?その者たちはなにかの原因で外してしまったんじゃよ。だから通信ができず、行方不明になった。」


腕時計を受け取った。盤面の枠にA-SHOCK、と書いてある。

「エーショック、ですか?」


「わしたちは“あー、しょっく”と呼んでおる。」


「…。そうなんですね…。」

色んな意味でショックだった。先生は続けた。

「着けてみなさい。…うむ、ぺありんぐOKじゃ。とりあえず10万ブランチャージしておこう。向こうの共通通貨じゃ。大事に使うんじゃぞ。なくなった場合は向こうでチャージしてもらうんじゃ。バイトをしたり、おねだりしたり。やり方は色々じゃ。ただし、チャージできるのは最高10万ブランじゃよ。


それから通信はこちらからの場合は通信料は無料、しかし、そちらからは1日1回のみ。5分までは無料、そのあと10秒ごとに1000ブランじゃ。ちょっと練習してみようかの。『あー、しょっく。先生を呼び出して。』と言ってみい。」


通信料とるんかい…。まぁいいや。とりあえず大事なものらしいからね。では練習で…

「あ、あー、しょっく。」

といった瞬間、文字盤いっぱいにギョロッと目が一つが現れた。

「うわー‼何だこれ⁉ 気持ち悪‼」


「失礼なやつじゃな。青くんの命にも関わる大事な通信機じゃぞ。可愛がってやらないと無視されかねんぞ。さぁ、もう一度。」


「わ、わかりました。『あー、しょっく、先生を呼び出して…。』」


再びギョロギョロ目玉が現れて、

「少々お待ちください…。呼び出しに応じました。お話下さい。」


「よしよし、きちんとに機能しておる。ちなみに『あー、しょっく』の部分は違う単語にも変えられるぞよ。好きな愛称をつけてあげると喜ぶかもしれん。あとでやってみるといい。」


「わ、わかりました。やってみます。」


「よし。では次、サポートアニマルを選んでもらおうかの。」


「サポートアニマル?」


「そうじゃ。わしらは“サポアニ”と呼んでおる。青くんの挑戦をサポートしてくれる大事なパートナーじゃ。

ハツカネズミ、うさぎ、猫、犬、カメレオン、ワニ、サイ、ぞう、キリンの中から1匹だけ選べる。どれにするかの?」


なんか普通飼わないようなやつもいる…。

「サポアニ?種類によって能力に差はあるんですか?」


「最初はほぼ同じじゃ。しかし青くんと同じで成長するごとにできることが増えていく。ほとんどの人は自分の好きな動物を基準に選んでいるようじゃ。」


能力が同じなら、うさぎかな。家でも飼ってるし。

「じゃあうさぎでお願いします。」


「ずいぶん早く決めたの。本当にうさぎでええのかね?サポアニはすべての挑戦が終わるまで代えられんぞ。」


「ええ、大丈夫です。家で飼ってますんで。僕にはあまり懐いてないけど癒しになるんです。」


「そうかわかった。では廊下を選んだら送っておこう。ヨイショと。では次は廊下についてじゃ。」


「はい、よろしくお願いします。」

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