心配

 夏休み明けに望月さんに告白しようと思っていたけど…

 

 なんか、望月さん別人みたいに痩せてキレイになっちゃってモテモテだなぁ。

 

 

 告白もめっちゃされてるみたいだな。

 

 

 新学期早々、望月さんはオレの席の隣で

(あー、どうしよう。困ったなー。困ったなー。お腹すいたなー)

 と言っていた。

 

 ?

 お腹すいて困っているのか?

 

 かなり痩せちゃったもんなー。

 

 そんなに無理して痩せなくてもよかったんじゃないかな…。

 てか、夏バテかな?

 

 望月さん…大丈夫だろうか。

 顔色もあまりよくないような…。

 

「あの、望月さん。大丈夫?」

 

 心配して望月に話しかけると望月さんは、

「あ、うん。大丈夫だよ」

 と笑って微笑みかけてくれた。

 

 望月さん…。

 

 

 そして次の日も望月さんは、

(どうしよう…今日もまた告白されてしまった。困ったな。お腹もすいたのにな。)

 と、悩んでいた。

 

 どっちなんだ⁉︎

 お腹が空いて困っているのか…それとも告白されて困っているのか…。

 

 

 まぁ、たぶんどっちもだと思われる。

 

「あのさ、望月さん。」

「なに?サトウくん。」

「なんか…困ってたりするならオレ相談にのるからね。」

 と声かけをした。

 

 でも、たぶん大丈夫だよってまた言われるのだろう。

 

 そう思っていたら、やっぱり

「大丈夫。」

 とにっこりするじゃないかっ‼︎

 

 全然大丈夫じゃないよね?

 

(やっぱりサトウくんって優しいな。サトウくんなだけにお砂糖みたいに優しい甘さ♡なんちゃって)

 と、以前のようにあいかわらずな小言が変わっていなかったのには、少しホッとした。

 

 

 それから一日一日と月日が経つにつれて望月さんが元の体型に戻りつつあった。

 

 なんとなくホッ。

 

 でも、そんな容姿をブーブーいいだす男どもが出てきたのだ。

 

 その一人が後ろの席のトオルだ。

 

 放課後トオルは、ボソッと

「望月さんってさー、せっかく可愛くなったのにさぁ、またこぶたに戻りつつあんじゃーん」

 と言ったじゃないかっ‼︎

 

 トオル…

 

 お前ってやつは…ほんとに…

 

 どうか望月さんに聞こえていませんようにって願って望月さんをみると望月さんは、

(そうだよねえ。やっぱりわたしってそうだよねー)

 と落ち込んで教室を出て行ってしまった。

 

 望月さん…。

 

 オレは慌てて望月さんを追いかけた。

 

 続く。

 

 

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