じつは鍵を落としまして…

@ARESU18

第1話

ある日の放課後。

晶は演劇部で練習していて先に帰ろうとし昇降口でふと、

「あれ、家の鍵どこやったか」

――いつも入れている場所に鍵が無い。

「晶も鍵持ってるだろうけど練習を邪魔する訳にはいかないしなぁ…」

悩む涼太の元に――

「――涼太、帰ったんじゃないの?」

「結菜!実は家の鍵を落としたみたいで…」

「家に帰れないってことね…」

「そうなんだ…、晶は部活だからまだ来ないし悩んでいたところなんだよね…」

すると隣にいる結菜が何かを言いたそうな顔をしてもじもじとし始めた。

また前のような質問(SSリーフレット『じつはクラスメイトの秘密を知ってしまいまして……』)をされるのかと少し身構えてしまったが結菜が口を開く。

「い、一緒にどこかに寄って帰らない?」

「え?」

「そ、そうすれば晶ちゃんが部活終わるまで時間潰せるし、」

結菜からの急な放課後デートのお誘いに心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

「ゆ、結菜は時間大丈夫なの?」

「うん、今日はなんもないから何時まででも平気…」

「そ、そうなんだ、ありがとう。」

「ううん、それじゃあ行こ?」

お互い顔が真っ赤になっているのを確認してぎごちなく歩いてしまう。

しかし目的なく歩いていても良くないなと思い2人でこの後数時間の予定を立てながら夕陽に染る街並みを2人歩いていった。

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