勘違いのようなもの

勘違いのようなものだった

思い違いだったのかもしれない

単に季節が先取りされた

それだけのことだった


桜が一部咲いていた

こんな時期に咲くなんて不幸だと思った

勘違いで揺らされる木々について

哀愁のようなものを感じてしまった


咲くべき時に咲くはずだった彼らが

これから散らすしかないことを

頭の他所に留めて哂う

割と自分も似たようなものだから


思考を持てない木々たちでさえ

散る結末を迎えてしまう

思い違いや勘違い

季節の嘘に紛れた桜


春先の真に彼らが生きていますように

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る