妄想/常人と廃人(2024/01/26)

今日の日記では、私の頭の中にある生死観念的なそういうお話をしています。そのような話題が苦手、気分では無い人など、後半部分のお話まで飛ばすか、このお話丸ごと読み飛ばしてかまわないです。暗い人間でごめんなさい。


ーー



母親に叱られている時に思った。

私がまともな人間になるには、一度死ぬしか無いと。

死んでやり直すんじゃなくて、私という人間は死んでやっとまともな人間だったと扱われるような気がする、扱えるような気がする。


母親には沢山迷惑をかけてきた。そんな母親に、何か返さなきゃならないと思って今日まで生きてきた。返すまでは死んではいけないと、そう思っていた。


でも、死がお返しになるなら?


生きているだけで迷惑をかけるなら、いっそ死んだ方がいいのかもしれない。


一度死ぬと言ったって、人間が死ねるのは一度きりしか無い。一度きりの死、どう迎えようか、私はどう迎えたいかな。


これまでの人生、何度も何度も、自分を殺す想像をしたような気がする。登校路、授業中、帰り道、食事をしている時、寝る直前。自分を殺す想像をする、とまらなくなる。いつもいつでも、私のすぐ横には私を殺す殺人鬼がいて、そして、殺される。とっくに妄想の制御をするのは私じゃなくなった。


何度も何度も殺す想像をして、同じだけ、自分が殺される光景をみた。


自分が殺される光景を、何度も、何度もみている。正気でいられる?私は、無理だ。無理だった。


死後の世界の想像をしてみたりもした。多分そこは、おじいちゃんとかおばあちゃんばっかりで、なんだかほんわかした雰囲気に包まれてる。孫の成長を見守って、時に笑顔になったり、悲しんだりする。輪廻へ還るまでの時をすごす。時が、ゆっくりと流れる。

私の想像する世界はこんな感じ。

でも、多分私は閻魔様にも怒られるから、そこへはいけないかな。地獄に落ちるか、それとも輪廻へ還れずに消滅するのかな。消滅したら、どうなるんだろう。消滅したら、消滅したら…


そんなものは、無い。消滅したら、果てのない暗闇と、虚無が待っている。そんな気がする。ホワイトノイズが耳を殴り、くらりと回転する視界に最後に宇宙をみて、そして妄想は終わる。

目が覚める。バクバクと鳴り止まない心臓を、震える指先でぎゅうと抑えた。


死の瞬間を迎えるのに、抵抗はない。死ぬ痛みはまだ想像できる。でも、自分がこの世のものでなくなるのは、想像すら付かない、果てのない暗闇に放り出されるのは、どうしたって怖い。



ーー



常人。普通の人って意味。常に人って書いて、常人。


そうかあ、普通の人って、常に人間でいられるんだなあ。私は、常に人間じゃいられなかった。ヒト以下だった。だから、常人じゃない、って表現も正しくない。人って難しい。常人になるのも、常人じゃない、になるのも、難しい。


みんなは、どうやって人間であるんだろう。私には人間であることすらちょっと難しいらしい。生き方とやら、誰か教えてやくれないか。生き方マニュアルみたいなの無いかな。無いか。そもそもマニュアルなんてあってもそれに従うことができないから、意味無いな。


他人の指示に従うことができないのだ。従おう、という意思はあるのに、体が動かない。私は、自分の脳にすら、従うことができない。


今じゃありえない話だけど、小学生くらいの頃、私は”周りよりちょっと良い子”ができていた。ちゃんと人間をしていたような気がする。先生から言われたことを、全て覚えていた。むしろ周りが、先生が言っていたことをどうして覚えてないのか不思議だった。多分天才だった。でも今じゃ逆だ。私ができないことを、どうして周りが当たり前のようにこなすのか不思議でたまらない。天才というコンテンツは、もう全て消費したみたいだった。天才を使い果たした私は、廃人になった。


廃人、一応は人って字を使うんだね。廃人が人なら、私も、普通じゃいられなかったけれど、ちゃんと人間をやれてるのかな。

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