第2話:魔女の巻。
店の看板猫が欲しくて観音さんはペットショップで一匹だけ売れ残っていた
白い猫を買って帰った。
その猫ちゃんはブルブル震えるとなんと、外人の女の子になった。
外人の女の子になったと言うか、女の子のほうが本物で猫ちゃんになって
いたらしい。
え?・・・なに・・・これ?・・・んなバカな・・・。
観音さんは、その子を二度も三度見もした・・・けど、どうみても人間の女の子。
しかも猫ちゃんが「ターキッシュ・アンゴラ」だからか、その子も、どうやら
外人の女の子?。
「連れて帰ってくれてありがとう・・・え〜と、誰だっけ?」
「あ、僕?僕は「観音・・・・
「じゃ〜カノンちゃん、よろしくね」
「なんで、猫が人間いになるんだ?」
「それは逆だよ・・・私が猫になってたの・・・」
「私、魔女のプティ・・・フルネームは「プティット・フルール・デ・シャン」
「プティって呼んで?」
「で、これが私の本当の姿」
よく見ると髪は肩くらいまでの長さで色はまあとうせん白。
頭に小さな帽子をかぶっていて背は観音さんよりは低い。
キャミにミニスカートとの可愛い衣装を着ていたけど、なかなかの
スレンダーボディ。
でも、ほんとに猫みたいな顔をしてておまけに可愛い。
「猫になるくらい朝飯前」
「でも変な人に飼われなくてよかった」
「私、魔法だって使えちゃうけど、なにすればいいの?」
「私カノンちゃんの為に役に立ちたいの」
「魔法?・・・魔法って、あの魔法?」
「私魔女だから・・・」
「魔女ね〜」
観音さんは改めてプティを見ながら半信半疑でそう言った。
「え〜でも、それじゃ看板猫やってもらえないよな」
「看板猫?」
「僕の店、理髪店なの・・・だからね」
「分かる?理髪店、散髪屋、理容院、バーバー・・・」
観音さんは人差し指と中指でハサミでものを切る真似をした。
「分かるよ、男の人の髪の毛をチョキチョキするところでしょ?」
「私の国にもあるから」
「君の国?・・・・え日本じゃないんだ」
「トルコってとこ」
「猫ちゃんなってるほうが、なにかと便利だからね」
「私が猫ちゃんになってくつろいでるところを誰かに誘拐されたみたい、
密輸って言うの?・・・ではるばるこの国へ来ちゃったみたい」
「密輸・・・」
「ダメじゃんそれ・・・」
「でね、気が付いたらペットショップに並んでたの」
「だからね、カノンちゃんが連れて帰ってくれてよかった」
「お役に立ちたいから、して欲しいことがあったらなんでも言ってね」
「ああ・・・君には・・・あ〜プティちゃんには猫ちゃんでいてもらって
店の中にいてお客さんに愛想振りまいててもらおうと思ってたんだけど・・・」
「大丈夫だよ、お客さんがいる時は猫ちゃんでいてあげるから」
「店内の隅っこで椅子の上でゴロニャンって寝てたらいいんでしょ?」
「悪いけどそうしてくれる?」
「さのさ、余計なことはしなくていいからね」
観音さんは大いに驚いてビビったんだけど、15万も払って買って来た猫ちゃん
だし、猫ちゃんの以前に人間の女の子を今更おいそれと誰かに譲ることも
手放すこともできなくなった。
とぅ〜び〜こんて乳。
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