人見知りしないのはいいこと?

くさぶえ 舞子

第1話人見知りしないのはいいこと?

 私の息子Rちゃんは、二歳になったばかりの元気な男の子。保育園で、お兄ちゃんお姉ちゃんと遊ぶこともあるおかげか、どこか怖いもの知らずなところがありました。

 先日も、私の用事があってついてきた、役場で走り回るRちゃんは、違う幼稚園の制服を着た、ちょっと、お兄ちゃんを見つけて、喜んで遊んで~と、言わんばかりに走って向かっていきました。

 すると、お兄ちゃんのほうは、見知らぬ自分よりも小さな子が自分のところに来たことで(内気な性格だったのか)オロオロと半泣き状態になってしまいました。そこで、小学生くらいのその子のお姉ちゃんが、両手をひろげて弟を守る!っというような感じで間に入っていました。

このとき私は、

「ごめんね、お兄ちゃんと遊んで欲しかっただけなのよ~」

 と、フォローを入れつつも、お姉ちゃんは、睨み付けていました。

私はドンドン近づくRちゃんを一瞬で止められず、とても私が歯がゆかったのです。これは、Rちゃんにとってもよくない事だと、う~ん、う~んと、考え、怖いものがあればいいのか!と、思い付きました。

  私が小さな頃怖かったものを思い出して、夫がお休みの日に大きな本屋さんに一緒にいきました。そして、ある絵本を買いました。それは、私が、小学生になっても怖くて、本棚の一番上の、はしっこにおいていたオバケが出てくるトラウマ絵本でした。(せな けいこ先生の『ねないこだれだ』です

その日の夜、さっそくRちゃんにそのオバケの本を読み聞かせてあげると、みるみる顔が曇っていき、オバケのページが出てくるとわんわん泣いてしまいました。それ以来、ダダをこねた時は、

「くるよ、オバケがくるよ!」

 と、言って、気分を沈めることが出来るようになりました。

別の日に、子供服屋さんに行きました。すると、どこかのおかあさんも同じような感じで、

「こわいのくるよ! こわいのくるよ!」

 と、言っているのを聞いて、どこも同じだなぁと安心しました。

そして、Rちゃんには怖いものができました。

 しかし、児童教育上はあまり怖がらせて終わるというのも良くないみたいで、これからは、

「だめよ~、お兄ちゃん、嫌がってるじゃない」

 といった、説得が必要と知り、なかなか子育てには正解がなく難しいと思いました。

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