73話 2-37 好きか石ころ
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
凛は体育倉庫の入り口にいた。
話し声が聞こえる‥‥‥‥森永さん?と蓮司だった。
相手が森永さんである事に驚きは無かった
ゆっくりとドアの取手に手を掛け回してみるがやはり中から鍵がかけられている。
中の状況が分からないのでとりあえずドアに耳を当て中の様子を伺う事にした。
森永さんは少し微笑んで
「私の事に興味を持ってくれるのね?」
「説明して欲しいと言っただけです」
「‥‥‥‥‥そうね‥何処から話そうかしら」
「好きなのにイジメる意味が分からない‥」
「ふふっ‥最初はあなたの気を引きたかっただけ‥‥私を見てくれるなら何でも良かったの」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「普通に話し掛けてくれれば良かった」
「‥‥‥‥‥‥‥話したし小さい頃から一緒だったわ」
「‥‥‥‥‥あなたが私の存在を認識していなかっただけ‥色々アプローチした結果イジメに行き着いたのよ」
蓮司は本当に覚えていなかった。
森永さんがいつも一緒に?
話した事は勿論、顔や背格好まで覚えて無いとかあるのか?
「ふふっ‥そんな難しい顔をしないでも簡単なのよ!」
「あなた、小学校の時、校門前で毎朝、交通安全のあいさつしてくれてた人覚えてる?」
「‥‥‥‥‥いたような‥」
「毎朝、六年間も朝から挨拶してて‥‥‥‥覚えて無いわよね?」
「あなたの私に対する認識も今あなたが言った‥‥‥」
「‥‥いたような‥と同じなのよ」
「ありえなく無いでしょ?あなたは前からそう‥今だって視界に入る人なんて限られてる。」
「あなた自身が興味を持たないの!」
「そんなあなたに意識させるにはイジメの主犯が最適だったのよ‥」
「‥‥‥ちゃんと思い出せたでしょ?」
「逆を言えばいくらイジメてもあなたは誰からイジメられていたかも興味無いから好き放題よ‥犯人なんて捕まらない‥‥」
「‥‥‥‥‥え?いくらそれが僕であっても今、自白すれば捕まえるのは簡単なんですが‥‥」
「そうね!こうやってアタナに認識されている幸せを感じているわ!」
「バラしてしまえば同じ事なんて出来ない」
「‥‥‥‥‥あら?私は優等生で学級委員よ?」
「泣きながら先生に、不登校だった江藤君も同じ高校に入れる様にお願いしたのも私‥‥‥中学トップの成績で生徒会長、誰からも慕われる生徒のお願いなら高校に保健室登校すら掛け合ってくれるバカな教員‥‥」
「さて問題です!今、私がイジメてた話しを先生は信じてくれるでしょ〜〜か?」
「小学、中学とクラス全員に少し考えれば分かるウソを吹き込んだだけで‥‥たったそれだけでみんながイジメ出す‥‥イジメる理由なんて分からないバカばっかり‥‥なんでイジメるの?って聞いても‥‥女みたいで気持ち悪い‥‥ は?アンタの方が百倍キモいわよって思ってたわ‥‥」
「でもそんなバカを見てると、あなたを他人にイジメで傷つけさせるのが嫌になって来た。」
「私しかあなたを傷つける事は許さない‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥百歩譲って相手にして欲しくてイジメるのは分かったとして、傷つければ嫌われるとか思わなかったの?」
「嫌われた方がマシ!だって嫌いだって認識してくれるでしょ?」
「あなたは人を嫌いにならない。好きか石ころかって判断しかしない」
「‥‥色々語ってますがあなたは僕を何も知らない‥‥‥」
「そうね‥‥‥‥‥分からないわ?でも私はそれも欲しい‥」
「あなたの隠している大きな秘密!」
「‥‥‥‥‥‥‥」
ETOの事だろう‥‥‥
分からないなりに何かあると感ずいている。
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