愛情の人生

@mikikuro1206

第1話 はじまり

空から白く、儚い、雪が降る季節のこと。

たくさんの笑顔に包まれながら、私はこの世に生まれた。


お母さん、私は生きるべき存在だったのかな?

その意味をまだ、見つけられないよ…


そう、思っていたんだ、あの時までは。



時は過ぎ、桜の花が咲きはじめる頃、

私は、今日から高校生になる。

新しい学校、新しい人たち、新しい思い出。

「みきー!今日から、高校生だぞ!制服、間         違えるなよ!」

『間違えないよー!私だって、高校生なんだからそれぐらいわかるよ!』

お父さんが心配そうにいつも声をかけてくれる。

私の家族は私とお父さんの2人だけ。

いわゆる、父子家庭で育ってきた。

『じゃあ、行ってきます!』

「あ、まてまて! 車に気をつけるんだぞ!知らない人に声かけられたら、すぐ逃げろ!」

(もう何回も聞いてるよその台詞)

「あと、高校生活、存分に楽しめ!!!」

『…うん!、行ってきます』

   

心配かけてんのかな…

でも、これからもっと迷惑かけちゃうかも。

これからの3年間で何か変わるだろうか。

これからの出来事に、不安と期待を募らせるばかりだ。


空白の時間が多すぎた私の人生に、

色鮮やかな景色が見えるとは到底思っていなかった。

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