第3話 美少女になればいくらでも修羅場は作れるでしょ




主人公くんに同棲を許可して一週間とちょっと経った。そして俺も主人公くんと同棲するため引っ越した。俺と主人公くんが同棲する家は闇光ライトの名義で買った南国の方に在る綺麗な海のサンゴ礁の地下の地下の地下のおしゃれな家。もし一般人が徒歩で中立学園まで登校するなら一年、いや二年くらい掛かると思う。そんぐらい遠い。だが俺は今日、そんな遠い中立学園まで登校する。別に闇光シュウとしてではないよ?この中立学園というのは特殊な才能がある若者が選ばれ、選別は厳しいが入学すると脳内ピンクの学園なのだ。まあそこはファンサだからな。ヒロイン達の顔真っ赤に染めるシーンとかイベントで見放題だし。仕方ないんだけどね。今日は主人公くんにお弁当を届けようと思う。目的は、俺が弁当を渡したことによってメインヒロインを嫉妬させ嫉妬ゲージを上げるのだ。日傘を差して、片手に弁当を持ちながら中立学園の門を潜ろうとする



「お嬢ちゃん、彼氏に弁当届けるのかい?」



「ええ、そうですが」



門番に止められた



「なら身分証を見せてくれ」



「どうぞ」



身分証を見せてあっさり門を潜る。警備緩すぎじゃね?流石ゲーム、ご都合主義だ。ロイのクラスはA-4。廊下を歩いていると俺と同じように弁当を届けに来た恋人が何人か確認できた。教室に入る、そうすると案の定、主人公くんはヒロインたちに囲まれてた。主人公っていいな、青春真っ只中で。主人公とその机に取り巻くヒロイン達に近づき俺は究極の爆弾を落とす



「ごきげんよう、ロイ。お弁当、忘れたでしょ。届けに来たわ」



机にお弁当をコトリと置くとヒロイン達が俺に『は?何なんコイツ?』と俺を見る。目が笑ってない、リアルで見ると怖いよ。誰だよ、コイツ等のこと可愛いとか言ってた奴



「ん、忘れちゃってごめんライトちゃん」



「今度から忘れないようにしなさい」



「うん、分かったよ」



いいねぇいいねぇ、主人公くんが空気を読まない度にヒロイン達の俺を睨む視線が強くなってきてる。



「ってかねぇ、ロイ!この女誰?ロイにはわたしがいるはずでしょ?」



「そうっすよ、センパイ!もしかして浮気ですかぁ〜?」



「殺す」



最後のは地味に怖かったけど、流石主人公、普通に鈍感だ



「?僕は君たちと付き合ってないよ?何言ってるんだい?」



まじかよ、そろそろ主人公くんのこと本気で心配になってきだぞ。チラリと主人公くんから俺に視線が移り一気に睨まれる。こっわ、怖すぎだろ。もうヒロイン達が高校生の目してないんよ。ってかさ、ヒロイン達をリアルで見ると犯罪臭スゲェな。だって合法ロリ美少女でしょ、巨乳ポニーテール美少女でしょ、ギャル系美少女でしょ、クール系美少女でしょ。あァァァァァ羨ましい。この爽やかイケメン明らかに有罪だろ。さっさと法で裁かれろ



「ねえ、貴方はロイとどういう関係?ロイはわたしの何だからね!」



「誰、お前?」



「アンタさぁ、を誑かしたの、まさか?」



怖い、特に怖いのがロリ美少女が手に包丁隠し持ってることだ。こっちは魔力が見えるから分かるんだからな!もう主人公くんに弁当渡したし俺そろそろ撤退させてもらうぞ。



「では私はそろそろ帰りますので、今日は早めに帰ってきてくださいよダーリン♡」



あはは、背中にヒロインズの視線が刺さる。早く帰ろっと。もうこの学園嫌だわ



−−−



僕の名前は堕天ロイ。可愛い彼女と交際できて(出来てません)嬉しい(虚しい)冒険者ランクSS級の学生だ。今日、愛しい愛しい彼女ことライトちゃんにお弁当を届けてもらった。お弁当が包まれている風呂敷の柄がパンダだ。流石ライトちゃん、どこまでも可愛い。この風呂敷がパンダって所が良いよね、そこにギャップ萌えを感じる。まあ感じなくてもライトちゃんは可愛くて存在自体が尊いんだけど



「では私はそろそろ帰りますので、今日は早めに帰ってきてくださいよダーリン♡」




え、今なんて言った?『ダーリン♡』え、聞き間違いじゃないよね?か、かわ、可愛いいいいいいいい。流石に学園内では絶叫出来ないけど、学園外だったら叫んでたかも。可愛い、可愛すぎる。ライトちゃんもうある意味R15だよ、それ以下の人間だと脳破壊しちゃうからね。というよりライトちゃんは僕以外見せたくないな



「ねえ、ロイ!恋人いたならさっさと言いなさいよ!びっくりしたんだから!」



「ホントそう、センパイサイテー」



「浮気」




うるさいな、別に僕が君たちに報告しなくてもいいじゃないか


だって、君たちは俺にとって他人なんだからさ




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