序盤のチュートリアルで瞬殺される噛ませ犬だが殺されたくないので美少女にTSして美少女無罪で許してもらうつもりだったのに、いつの間にかヒロインの一人にカウントされてた

ちーずけーき

第1話 美少女になれば許してくれるでしょ


今、日本では若い世代で超が付くほどはやっているゲームがある。それは『死と後悔』というタイトルで主人公ロイが無罪の人を戦闘に巻き込んで誤って殺してしまい、後ほど後悔するというゲームだ。最後は、主人公が通う中立学園で築いたハーレムメンバーの前で自殺するというまあ、とにかく滅茶苦茶な内容だ。よくあの内容を世間は許したな。とはいいつつも、俺もそのゲームにドハマりした一人なのだが。俺の日常はいつもと変わらない。

朝、起きて。飯食って、制服に着替えて。中立学園の門をくぐり、授業を受けて。ロイに、八つ当たりして。そのあとダンジョン行って、人殺して...。

は?俺はそんな日常は送ってないはず。だた食って寝て仕事しての日常が俺の生活だった。じゃあ、この日常は誰のだ?見覚えないぞ?急いでスマホを見てカメラ機能にする。そして、やっぱりと思った



「待て、待て待て待て。これって序盤に瞬殺される闇光シュウじゃね!?」



明らかに見間違えじゃない。写真をカシャカシャと連射してメモリーを見ても闇光ショウのままだ。闇光ショウというのは序盤のチュートリアルで瞬殺される雑魚こと一応噛ませ犬で容姿は金髪にタレ目のバイオレットの瞳。顔は、主人公ほどではなくてもイケメンだ。そして身長は低く本当に女の子みたいだ。そういや、関係ないけど俺の好みはタレ目の金髪美人だ。ん?待てよ?俺が、もし、TSして、謎の美少女になって、媚売ればもしチュートリアルイベントが起きても正体明かせば殺されないんじゃ!?俺天才だわ。TS薬というのは悪役が必ず持っているアイテムだ。このアイテムを使って倒した悪役を女にしてレイプすることも出来るのだ!最悪じゃん。でも今の状況では逆に嬉しいかも。シュウの記憶を探ってTS薬を隠していた金庫を暗証番号を入力し開ける。中に入っていたのは緑色の、いかにも腐ってそうな液体が入った小瓶だった。



「ok、これは毒じゃない、これは毒じゃない、これは毒じゃない...ウェ」



小瓶を飲み干すと体がポカポカした。少しの違和感を覚え、先ほどまであったものがなくなったような感覚だ。もう一回スマホのカメラ機能で自撮りする。そこには、完全に美少女がいた。金髪は膝まで伸びていて、バイオレットのタレ目が特徴的な可愛らしい女の子。余談だがすごいドレスが似合いそう。そうだ、謎の美少女用の名前どうしよう。シュウだから、シュウコ...いやでもなんか似合わないな。名字に光が入っているからライトでいいや。今日から、俺は闇光ライト。金髪美少女だ。ではまずは、ドレスを買いに行くか!学園?そんなもん行かねぇよ。取り敢えず今日からレベルアップと美少女を作るのに専念だな!フハハハハ。

−−−



僕の名前は堕天ロイ。最近、僕の隣の席に座っている闇光シュウくんが学園に来ない。不思議だ。シュウくんは意地悪だけど、学園は何故か一度も休まなかったはず。よく、僕はシュウくんに虐められている。水をかけられたり、服を燃やされたり、でも僕はお互い仲良く出来ると信じている。もう今日でシュウくんが来なくなって一ヶ月だ。流石に心配になって、シュウくんの家に行くことにした。シュウくんの家に着いて、インターホンを押す。いつもだったら、意地でも心配しないんだけど、今日はなぜか心配になった。



「入りなさんし」



扉が自動で開いた。でも、声は高く明らかにシュウくんの声じゃない。誰だ?部屋は、想像したよりも綺麗で清潔だった。シュウくんの家は親が大富豪らしい。なので、家も大きく豪華だ。靴を脱いで部屋に見とれてボーッとしてると眼の前に突如女の子が現れた。



「ようこそ、我が家へ。歓迎いたしますわ。取り敢えず奥の間へどうぞ」



写真でしか見たことないような、豪華なドレスを着た女の子。何故か、僕はその女の子を知っていた。長いストレートの金髪にタレ目のバイオレットの瞳。おとぎの世界から現実に迷い込んだようなその容姿はなんとなくシュウくんに似ていた。女の子に案内されて、部屋に入ると、質素で厳かな装飾品が目に入った。そして僕はようやくシュウくんの家に来た目的を思い出した。



「そうだ、君!シュウくんを知らないかい?シュウくんが学園を長く休んでいるから心配になったんだ」



「それって、闇光シュウって人?」



無情な声で問う女の子



「そう、もしかしてなにか知ってるの?」



そう聞くと女の子はバイオレットの瞳で僕をじっと観察しながら言う



「貴方には関係ないわ。別に、いずれ合うことになるから」



「あと、もう一つ聞きたいんだ。君、名前は?」



金髪の女の子の名前を聞いた瞬間、僕は頭が真っ白になった



「闇光ライト。それが私の名前コード



だって、闇光ライトは...僕の初恋の人の名前だから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る