前のエピソード――12話

古代文献 NO.19682号　訳者ノア・マヌ　4235年2月6日

古代文献ランク　1

　(1.極めて状態が良い　2.状態が良い　3.文献に欠損は見られるが、致命的では無い。　4.文献に致命的な欠損がある。)

　1.文献タイトル

　2.文献概要

　3.本文訳

1.タイトル　

　ハラヨシ・ハル博士の遺書

2.ジェイ・ハロルド博士の遺書の概要。

　クリスマス計画の最高責任者、ハラヨシ・ハル博士の遺書である。

3.　2120年　8月7日

　この手紙を拾った人間へ。

　一枚目は私の息子へ、二枚目はベルリンの本部へ、三枚目はこのままここに置いておいて欲しい。

　一枚目

　ヨシオ、母さんを頼む。父さんは自分の役割を果たした。父さんはお前が自分の役割を果たしてくれることを望む。本当に不甲斐ない父親だった思う。

　それとネックレスだが、いざという時にお前を守ってくれる物だ。もしお前が使わなかったらそれをお前の子供に、その子供が使わなければその子供の子供に渡して欲しい。

　二枚目

　中央は既にメルビレイ共の手に落ちた。東海岸も時間の問題だろう。しかし、心臓は完成した。マスドライバーを使い、そちらに送り届けよう。そして心臓の依代となる人物だが、私からアンダーセン君を推薦する。彼の家系について思う所があるだろうが、彼の正義感と他人への思いやりは本物だ。それに彼も自分がそうなる事を望んでいる。

　三枚目

　メルビレイへ、宇宙に浮かぶマザーにこれを届けて欲しい。

　ざまぁみろ。お前らの負けだ。心臓は届けられ、槍は完成する。人間の力でお前らを打倒する事は叶わなかったが、まぁ良いだろう。神と、お前達自身の力に依ってお前らは絶滅するのだ。