友達以上恋人未満
青井あすか
第1話 入学式
私、松岡楓は今日から高校生になる。
四月十日月曜日 朝六時五十分
母『楓ちゃん、朝だよ。今日入学式だよね、遅れちゃうよ」
私『お母さんおはようー。もうそんな時間!』
母『うん。今7時前、朝ごはんできてるよ』
私『ありがとう、今行くー』
まだ寝てたい気持ちを堪え、入学式早々遅刻はしたくないので、急ぎ足で
リビングへと向かった。
父『おはよう、楓』
弟『おはよう』
私『二人ともおはよう。』
家族がそれぞれ食卓につくと特にこれといった会話はなく朝ご飯を食べる。
私は朝のニュースを横目に牛乳を一気に飲み干し、パンを頬張った。
そして、洗面所に向かい、顔を洗い、髪を整えている途中玄関から家族の声が聞こえた。
父『じゃあ、仕事行ってきます。』
弟『俺も』
母『行ってらっしゃい。二人とも気をつけてね』
父と弟が家を出た音を聞き慌てて用意しに自分の部屋へと向かった。
私『よし忘れ物はないね。』
着替えを終え、最終確認をし玄関へ急ぎ、靴を履く
母『行ってらっしゃい、気をつけてね』
私『行ってきます。今日は入学式だけみたいだから午前中には帰る。』
母『わかった。お昼用意しておくね』
母『後今日は優斗も午前中までみたいだからよろしくね』
私『うん。お昼よろしく、ありがとう。』
と母に見送られ家を出た。
外はまだ肌寒い、高校へ行く途中弟と同じ制服を着た生徒とすれ違った。
自分もついこないだまで一緒の制服だったと思うとまた一つ大人に近づいたなとちょっと嬉しいなんて思いながら学校へと向かった。
そんな呑気なことを考えているが高校最初の登校日一人だと緊張する。
だんだん学校に近づくにつれて同じ制服の子がちらほら見当たり、顔見知りの子がいないか探しながら歩いていた。
すると後ろから聞き馴染みの声で名前を呼ばれた
幼馴染『楓、おはよう』
私『颯人、おはよう』
颯人『緊張してる?入学式』
私『別に、いつも通りだけど』
と答えたが、高校は中学とは違いほとんど顔見知りがいない為
家を出てから少し不安だった。颯人と会って少し安心した。
中学からの顔見知りで同じ高校の子は思い当たるだけでも四人しかいない
その内の一人が颯人だ。後二人は中学ではあまり話すこともなかった
ただクラスが同じになったことがあるくらいだった。
そんなことを頭で思い出していると
颯人『あっそう。ところで楓は何組だった?』
と少し不安そうに聞いてくる。
私『あー、私は一組だったけど、颯人は?』
私が一組だと答えた瞬間嬉しそうに笑いながら
颯人『楓は一組か、俺も一組だった』
私『また一緒かー、』と呟く
颯人『えっ、嬉しいの俺だけかよ』
私『そうみたいだね』
とちょっと不機嫌そうに答える。だが、内心私も嬉しかった。
颯人の笑顔を見た時に自分も嬉しさが顔に出そうになったがなんとか平然を装った。
そんなことを話している内に学校に着いた。
二人で教室へ向かう途中、
キーンコーンカーコンとチャイムが鳴った、
私達は急ぎ足で教室に駆け込んだ。
教室に入ると何人かのクラスメイトの話し声が聞こえるが、話している子達はすでに知り合いのようだ。何人かでグループができている。
まだみんな席には着いていない。それぞれ話しをしていた。
入ってすぐ黒板に目を向けるとそれぞれの名前が書かれている。
私と颯人は自分の苗字を探した。そして教室を見渡し窓際に空いている席を三つ見つけた。
名簿順の為、颯人の前の席だった。
私が窓際の前から二番目でその後ろが颯人だ。
そして、私が自分の席に着くと教室のドアが開き、一人の男性が入ってくる。
と同時に他のクラスメイト達も自分の席に着いた。
そして、入ってきた先生が話し始めた
担任『皆さん、おはようございます。改めてご入学おめでとうございます。』
『一年一組担任の吉村優です。今日から一年間よろしくお願いします。』
教室はシーンと静まりかえっている。と教室のドアがまた開き
男子生徒『すみません、遅れました。』
と一人の男子生徒が入ってきた。
さっきは静かだった教室が少しざわざわし始めた。
吉村先生『おはよう。ギリギリセーフ、名前は?』
さっきの自己紹介では真面目そうな感じに見えたが、
遅れてきた生徒に笑顔で話すのを見て良い先生みたいで良かったと少し緊張がほぐれた気がした。
男子生徒『あっ村林雄大です。』
吉村先生『村林君ね、席はあそこ』
と一つだけ空いてる席を指差した。私も先生の指す方に目を向けると、颯人の後ろの席だった。これでクラスメイト二十八人全員揃った。
吉村先生がクラス全員の出席を取り、入学式での説明を聞き約三十分の
ホームルームが終わった。教室を出て吉村先生に連れられて
体育館へと向かった。
移動中それぞれが仲のいい子と話しながら歩いている。
ふと私は颯人を探した。そして前を歩く颯人を見つけたと思ったらもう 同じクラスメイトの男子と仲良さそうに話している。私は話せる子まだいない、このまま誰も友達出来なかったらどうしようと 思っていると、
颯人『この子が俺の幼馴染の楓』
と急に颯人に声を掛けられ、びっくりしていると
雄大『楓ちゃん、よろしく。村林雄大です。』
私『あっよろしく。松岡楓です。』
とその後は三人で話しながら歩いた。
移動もあっとゆう間に体育館に着いた。
いよいよ高校生活がスタートする。
ドキドキとワクワクで入学式に参加したのだった。
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