第48話 10話 帝国貴族とAランク冒険者

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 それは、リライズで帝国でのストレス解消に演奏していたときだった。


「きゃっ!」

「テメェ、俺様にはむかうんじゃねぇ!!」

 演奏が中断し、問題のテーブルに視線が集まる。

 冒険者風の男が、店の女の子に怒鳴りつけていた。


「いかがいたしました?」

 ミスティーが客の男たちに近づいた。

「いやなに、女の躾がなっていなくてな。ワガハイの部下が代わりにしつけてやっていたところ~だ」

 貴族風の男が偉そうに口にする。

「何があったの?」

「この人たちが触ろうとしてきて……」

 ミスティーが店の女の子に聞くと、脅えて泣きそうになりながら答えた。

「お客様、家の店はそのようなお店ではありません。お引き取りください」

「ワガハイ、ちょう~不機嫌。どうやらこの店は、どの女も躾がなっとらんらしいな。質がいいだけにもったいない。どれ、お前さんを含め、店の女全員、私のものにな~れ」

 その瞬間、冒険者風の男と連れの兵士2人が立ちあがった。


「困るじゃねぇかぁ、お客さん、彼女たちはこの街の癒やしの花なんだから」

「ポルコさんっ」

 間に入ったのは、この街の冒険者・ポルコだった。

「ここはお触り禁止。それにこの街じゃ、奴隷販売もしてねぇんだから」

「テメェ、誰に向かって言ってるかわかってんのか?」

 冒険者風の男はポルコに近づき睨みつける。

「俺様はAランク冒険者、そしてこの方は帝国貴族。テメェみたいな三下が、出しゃばるんじゃねぇ!」

「おっと」

 男は周囲にグラスの酒を巻こうとした。

 だがそこに酔って頬の赤いポルコが倒れ込み、顔面で酒を受けとめた。

「ポルコさん!?」

「大丈夫だよ、ミスティーママ。ちょいと濡れただけ」

「ふ~む、興がそがれた。おい、店主の女よ、今回は許すが次回はキチンと躾けておけ。もちろん、店主自身も~な」

 貴族の男たちは、そう言い残し店から去った。


「ミーたち超空気だったネ!」

「そんなときもあるよ」

「今回の主役は〝ポルコ〟だったわけだ」

 俺たちが出る前に終わってしまった。


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