第31話 31話 宴会しようぜ

------------------------------------------------------------


「「「宴会しようぜ!」」」

「何だいきなり……」

「「「宴会しようぜ!」」」

「いや、だから何だってんだよ」

 ノリのわからない獣王め。


 竜の群れを討伐後、俺たち3人は獣王のところへダッシュした。

 たぶん今夜、祝勝の宴会を開くと思ったので、何とか1日ずらしたかったからだ。

「竜退治の祝勝会とかやるんじゃねぇの?」

「ああ、お前たちの願い通り今夜は宴会だ」

「それ延期」

「は?」

「明日、祝勝会兼ロミオとジュリエットの婚約パーティー開くぞ」

 全く話しに付いていけない獣王。

 しかも、ここは自分の国のはずだが、当たり前のように口を出されてる。

「い、いや、さすがに国の連中を呼ばないといけないから無理だぞ」


「安心してください! 今日中に転移装置で招待状を配りますので。あ、こちらが招待状になります。あとは獣王様のサインだけです。送り迎えも転移装置で行いますのでご心配なく。パーティー出席のためのドレスなど家の店でも取り扱ってますので、問題ありません」


「え? あ? わかった、お前たちに任せる」

 カズマの勢いに押される獣王。


「まぁこれにサインして、ミーたちに王宮の厨房を、ほ~んの少し貸してくれればそれで問題ないネ! あとは全部こっちに任せるヨ!」

「ん? 厨房も?」

「俺たちの故郷の料理を何品か出す。俺たちにとって、料理も広めたいものの1つなんだ」

「わ、わかった、話しは通しておく」


「おし、これで決まり! 早速動くぞ」

「時間がないネ!」

「メイド部隊も総出だね!」


 残されたのは、招待状の束を受け取った獣王だった。

「何の勢いだ、あいつら」


------------------------------------------------------------

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る