踊り子と軍人 結託の夜

茶野森かのこ

1



「この薬を飲めば、人生をやり直す事が出来ます」


そう言って差し出されたのは、液体が入った手のひらに収まるサイズの小瓶だ。


もし、他の誰かではない自分のまま生きられるなら。


揺らぐ事のないと思っていた、今更あるとも思っていなかった心が揺れているのを、それでも彼女は見ない振りをした。


夢は見ない、捨てたのだ、何もかも。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る