第29話 隠し部屋
こうして突然の出来事に佇み戸惑うも、一方では目を輝かせ期待を膨らませる
早速、
『もしかして……?』
その鍵は特殊な形をしており、長さは
やがて、半周ほどで開錠されたような音が聞こえる。その軽やかな響く音と同時に、床石も少しばかり沈む。これによって、敷き詰められていた部分には隙間ができ手を差し込むことが出来た。ところが、石で作られた床は重く、持ち上げるには一苦労。だからといって、いくら貧弱な体つきの
よって、少々時間はかかってしまったが、やっとの思いで石を取り除く。――と、そこは薄暗く先が見えぬ地下への道。階段はあるが、光源といった物は見当たらない。そのため、蝋燭に火をともし先へと進む。その状況に好奇心は抱くも、臆病な
そんな中、洞窟内を突き進むこと
『――わぁ、すごい‼』
心の想いは溢れだし、呆然とその場に佇む
その後、幾つかの書を確認するも、これらの物はどれも年代を思わせるような代物。従って、ところどころ経年劣化は見られるも、どうにか読むことが出来たらしい。こうして時が経つのも忘れ書物を読み漁るも、やがて微かに聞こえる梵鐘の音が11打の時を知らせた……。
『――え? もう、そんな時間! でも、あと少しだけならいいよね』
夕食を取ることなく、気がつけば日が変わろうとしていた。ところが、もう一冊だけ読んでから部屋に戻ろうとする
とはいうものの、不思議と
推察するに、当時の世は戦乱。聖域に建てられた
そんな勝手な解釈ではあるが、これが地下の書庫を作り上げた本当の狙い。誰かへ宛てたメッセージなんじゃないのか。
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