第17話 誰かのために出来ること
これまでずっと虐待を受け、馬鹿にされ続けてきた
「だったら、そうねえ……どうしてもお返しがしたいっていうのなら、私の代わりにお茶を汲んできてくれると助かるわ」
「お茶をですか?」
「ええ、今日は急いでいたからね、水筒を持ってくるのを忘れちゃったのよ」
「なるほど、そういう事だったのですね」
「けど
「はい。
この二人のやり取りを不思議に思いながら眺めていた
「ありがとう
「はい、では行ってきます」
こうして、
「
「さっきのって、水筒のことよね」
「そうだよ、なんで水筒があるのに行かせたの!」
「あのね、よく聞いて
「あんまりだよ、
「お願い聞いて、
「あれじゃあ、
「いいから聞きなさい! あるところにね、長い間ずっと使われていない扉がありました。扉は経年で傷ついているためか、強く引っ張っても固く閉ざされ動こうとしません。じゃあ、どうすれば開けることができると思う」
「なんでいま扉の話すんの?」
「いいから答えてちょうだい!」
水筒のことについて問いかけるも、
「多分、それは扉が軋んでるせいだと思う。俺ならゆっくり引いて開けるけど」
「そうね、
「じゃあ、さっきのって?」
「そうよ、私のために何かがしたい。こう思うのは
「
「いいのよ、
「うん、ほんとごめん」
「それよりも、冷めるといけないから早く食べましょ」
こうして同じ時間を決まった場所で、変わりない日常を楽しんだ…………。
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