卒業の手紙

霜月はつ果

君へ

三年間ありがとう。

なんて書くのは少し気恥ずかしいね。


君と出会えて本当によかったよ。

高校三年間、君のおかげで本当に楽しかった。

どれも大切な宝物です。


朝練に夢中で遅刻しかけたことも、

帰り道にコンビニでアイスを買ったことも、

コンクールが銀賞で涙を流したことも、

きっとずっと忘れない。


みんなの演奏が重なり合ったときの気持ちよさとか、

君の吹くどこまでも届きそうなトランペットの音とか、

だいすきだったんだ。

恋をしていた。


君は気づいてないと思うけど、君に

誘われなかったらきっと吹奏楽部には入ってなかった。

入学式の日、話しかけてくれてありがとう。


覚えてる?

初心者だった私は、一から君に教えてもらったね。

私は上達が遅くて、でも、君は根気強く教えてくれた。


それがうれしくて、悔しかった。

君はずっと私の大切な友だちで、大切な同期で、大切な師匠だったよ。


これを言ってしまったら君との関係が変わってしまうようで怖かったんだけど。

最後だから言うね。

明日から君がそばにいないことがまだ実感がわかないや。

お互い、卒業おめでとう。











追伸

後ろから読んでみるのもいいかもね。

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