第2話 乱戦の中で

「大内義隆様!お覚悟っ!」

「討ちに来たかっ!晴賢!貴様で討てるか!」


寺の奥にあぐらで鎮座する義隆。その両脇から多くの大内兵が出撃し晴賢軍に殺到する。


「陶軍を討てやー!押し返せ!」

「義隆様のみを狙えもはや退く場所はあるまい!」


混戦の中、大寧寺に火の手が上がる。


「義隆様!一旦大殿の間に退いてくだされ。」

「あいわかった。礼を言うぞ。」


大殿の間についた義隆。自身も槍を振るい、所々負傷している。


「はぁっはぁ…。」


宙を仰ぐ。


「っ!」


晴賢が薙刀を構え義隆と対面する。


「殿。」

「……。」


義隆は上座にあぐらをかき、晴賢を見つめる。


二人の間にありし日々が鮮明に思い出される。






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