渇望

Take_Mikuru

1.

柏田に睨まれている。

俺が出社してからずっとそうだ。

今にも怒鳴り声が上がりそうでビクビクしてしまう。

耐えられない。

恐る恐る柏田の方を見るとバッチリ目が合ってしまった。体が硬直して動かない。柏田はさらに眼光を強めてくる。

「あの、すみません」

横から声がし、そちらを振り向くと望月さんがこちらを見ていた。桁違いの美女。彼女は部内でそう呼ばれている。

「うん」

平静を装って答える。

「書類の確認お願いします」

ニッコリと笑いながら言われ、頭が真っ白になってしまった。

少々あたふたしていると後ろから怒号が飛んできた。

「おい荒田!テメェ何京香ちゃん困らせてんだあ!」

振り返ると、いうまでもない、柏田が鬼のような形相でこちらを睨みつけていた。

「あ、いや、、、」

頭がてんやわんやになり、まともに言葉が出てこない。

すると勢いよく柏田が立ち上がり、どすどす音を立てながら目の前まで近づいてきた。あまりの殺気に思わず首を萎ませてしまった。

「だからぁ何困らせんだぁって言ってんだよお!」

「あ、いえ、私は大丈夫ですので、、」

後ろで望月さんが柏田の怒りを鎮めようとしてくれている。

「いやダメだ。コイツはいつまで経っても人に迷惑をかけることしか知らない。京香ちゃんには特にそうだ。見てらんねんだよお!」

柏田は僕の胸ぐらを掴み、思いっきり顔を近づけてきた。

「おい、聞いてんのかよぉ!京香ちゃんに迷惑かけんなって言ってんだよぉ!」

その殺気に完全に気圧されてしまった。

「なんとか言えよゴラァ!!!!」


7時間後、俺はホテルにいた。

今はバスローブを着ながら大好きな人の到着を待っている。

今日は本当に地獄の1日だった。なんであんな扱いを受けなければいけないのか。なんであんな思いをしないといけないのか。

柏田には入社してからずっと目をつけられている。俺の雰囲気から仕事ぶりまで、全てを否定してくる。先週なんてただ車内販売のお弁当を選んでいただけで思いっきり肩を打ちつけられた。ことは望月さんが入社してからさらに悪化した。新卒入社の望月さんは本当に桁違いの美人で入社当日から人事部のアイドル的存在になった。そんな望月さんがどんな風の吹き回しか知らないが俺の隣の席になった。人事部長の判断であるため、係長の柏田はどうすることも出来なかったのであろう。その時から座席配置への不満までもが俺への嫌がらせに上乗せされるようになってしまった。柏田は異常なほどに望月さんを気に入っており、女子社員の中で唯一ちゃん付けをしているほどだ。毎日のようにどうでもいい雑談をしに来て部内の誰よりもその望月さんに嫌な思いをさせている。50のクソジジィが20代前半の女の子を性的対象として見ている様子は心底虫唾が走る。飲み会でも絶対に望月さんのとこに行って周りの男子社員を追っ払っている。柏田の異常な執着ぶりのせいで誰も望月さんに近づけなくなっている。仕事のことで望月さんに話しかけるだけでとてつもない殺意のこもった視線を浴びせられてしまうのだ。俺は望月さんにおはようございますを言っただけで会議室に呼ばれて思いっきり腹を殴られてしまったことすらある。そこまでいかなくても、ほんの些細な接触だけで廊下のすれ違いざまにケツを蹴られたり、手に持っている書類をはたき落とされたりする。心はもうとっくに限界を超えており、半年前に休職届を提出した。しかし当然のように却下された。柏田は休職届を手に取るなりすぐにゴミ箱に捨てたのだ。人事部長に言うにしても柏田は上には可愛がられており俺の立場が悪くなる方向に話が進むことしか想像できないため言い出せない。俺は果てしなく巨大な悪にこれまた巨大なハンマーで心を叩き続けられているのだ。


ピーンポーン。

ドアチャイムが鳴った。

来た。

胸が高鳴り始める。

大好きなマリナちゃんの到着だ。

俺は一目散にドアに向かった。


ああああああ。

彼女の程よく尖った鼻先とそこから漏れる生暖かい息が尻内に入り込んでくる。

「あああ、ああああああ!!!!」

思わず叫んでしまった。

すーっ、すー、

「ウンチしたばかりですかぁ~??今日も凄い匂いですよぉ~?」

思いっきり俺のケツに鼻を突っ込んたマリナちゃんが言う。

すーっ、すー、

「でも私、この匂い、結構好きです!」

すーっ、すー、

「なんか、ついつい求めちゃってる自分がいます」

あっ!

どんどん愚息を握る手が強まっていく。

愚息を引っ張り上げる力も尋常じゃない。

「おちんちんの匂いも凄いですね~、お尻の中まで匂ってきてますよ~」

うっ!

愚息に体内の全血流が集中していっているのが分かる。

しごき上げている腕も痛くなってきた。

っすーーーーーーーーーーーーー、すーーーー、

「マリナ、今日も同時にかけて欲しいです」

「っうあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

思いっきり上体を下げ、マリナちゃんの顔面目掛けて大量の白汁を放出させた。

と同時に、ケツから大量の茶汁を噴出させた。

激しく息を荒げながらマリナちゃんの顔を見ると、大量の精子と下痢が彼女の顔を覆いつくしていた。

「今日もたっくさんかけられちゃいました」

恥ずかしそうに笑いながら言うマリナちゃん。

俺はこの瞬間のために生きている。


マゾレディに通い始めたのは半年前。

美女を思うがままに操りたいという気持ちが抑えきれなくなったのがきっかけだった。

毎日隣に望月さんという文字通り桁違いの美女がいながらも一切関わりがない。仕事関連のことで二、三言葉を交わすことがあるくらいで、それですらも望月さんのあまりの美貌に頭が真っ白になり毎度終始ぎこちなく終わってしまう。話す回数の少なさについては当然柏田の影響がかなり大きいのは言うまでもないが、それにしてもだ。柏田がいない時ですら全くもって話が弾まない。俺は望月さんに心の底からの笑顔で見つめられたい。あの機械的に作られた完璧な笑顔ではなく、顔が少し崩れてしまうくらい本気の笑顔が見たいのだ。なのにいつまで経っても見られないままだ。挑戦していない訳ではない。きちんとやれることはやっている。髪型が少し変わったと思ったら指摘し、この身に起こった不愉快な出来事があったら最大限面白おかしく語っている。それなのに返ってくるのはいつもいつもあの完璧に計算し尽くされた笑顔だけなのだ。本当は柏田の目を盗んで望月さんと関係を深め、禁断のオフィスセックスなるものを心行くまで楽しみまくりたいのだ。しかしそれが叶わない。ついでに接触回数は何故かあの屑野郎柏田の方が圧倒的に多い。俺は限界を感じていた。そんな中、オフィスレイプものを見ている最中、風俗の存在を思い出した。今まではavだけで満足できていたものが、いくら見て、いくら射精しても足りなくなってきていたのだ。直に女に触れない限りこの鬱屈した気分を晴らすことは不可能に思えてきたのだ。そしてsm店を見漁っていた末にたどり着いたのがマゾレディなのだ。

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