2ー料亭で食事?
打合せが終わり、そのまま解散となった。
時間を見ると19時
やった!
コンちゃんとの約束まであと2時間ある。スーパーに寄る時間もある
「嬉しそうだな」
「ハイ!婚約者との約束に
間に合いそうなので!」
猪瀬の問いかけに素で返してしまい、ヤバっと慌てた。
コンちゃんには
『私の話はしないでね!身バレしたら、殺されちゃう!』
と言われている。そんな事が起きるとは全く思わないけど、コンちゃんを不安にしたくない。だから、コンちゃんとの約束があっても人には言わないようにしているのに。嬉しさで気が緩んでた。
「何を言っている。時間が時間だ、食事をしてから帰るぞ」
え…………
ヤダ
帰る。
コンちゃんと話したい。
『私より京極を優先して!プライドを傷つけられて余計に固執するのが京極よ!兎に角、モブになるの!』
…………元々モブですが。底辺αですが。
『私を優先したのが発覚したら、婚約破棄よ!』
「…………是非、ご相伴させて下さい」
コンちゃんとのやり取りを思い出し、心では泣きながら笑顔で言う。
ドナドナされた先は●革の手帳に出てきそうな、ザ料亭で。食事はめちゃくちゃ美味かった。
京極サマも側仕えが猪瀬のみになってリラックスしているのがわかる。リラックスするなら自宅でお願いいたします、こちらはタイムリミットが。コンちゃんとの約束の時間までに自宅に着いていたかったのに。
ちらりと時計をみると、約束を過ぎてしまっている。
うう……コンちゃん。。
この時、俺はいつの間にか飲んでいたアルコールで、酔っていしまってたのだろう。
「どうした?」
京極サマに問われて睨んでしまった。
京極サマがフフっと笑った。なんだ、夢か。睨まれて笑うなんてありえないもんな。
なんか、ふわふわする。
どうしたも何もないじゃないか。お前のせいでコンちゃんと会えなかったのだ。
「コンちゃん?」
そう、俺のカワイイカワイイ婚約者。
「AI?」
何を馬鹿な事を。俺が25になったら、番うんだ。リアルに決まっている。
一姫二太郎、俺が大黒柱になって幸せな家庭を創るんだ。
「…………そう。コンちゃんって何歳なの?」
俺の…
突然、スマホがけたたましくなった。舌打ちが響く
目が冷めた。
血の気が引く。
俺はどこまで話した?
『身バレしたら雲隠れするからね!』
「あ…………」
「…………電話、出ないのか」
表示をみると父親だった。
「いえ、大丈夫です。」
酔いは完璧に覚めた。父と話すよりも……
「出ろ」
命令されて仕方なく出る。
『ああ、陸か。明日だが母さんと長野に行くんだが、お土産に欲しいものあるか?』
……どうでもいい話。だけど、呼び出し音で助かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます