祠
第3話 あれ?祠だ……
「あれ?こんなところに」
ふと、サヒーリ王女が呟いた。
「あれ?どうしました?目的地のボス部屋まではまだ距離ありますけど?」
「いえ、見慣れないものがありましたので」
「見慣れないもの?」
サヒーリ王女が指さす先にあったのは……
「……あぁ、祠ですか」
はい、苔むした祠ですね。
あるあるーこういうヤツー。
壊したら村の長老が血相を変えてキレるやつ。
昔の漫画のテンプレでしたねー。
「これは祠といって、神様を祀ったり、悪いものを封じてたりするんです。地上にもたまにありますよ」
「そうなんですね!こういうの、ナウロでは見かけませんでした」
「まぁ、日本らしいものですからねー。ちなみに、地上にある祠は基本触らずに遠くからお参りしたりするとご利益があったりします」
「……悪いものを封じているんじゃないんですか?」
……まぁそうなんですけど。
うちの家、祠は基本神様の立寄る場所として教えられてきたから習慣になってるんだよねー。
買い物途中とかで見つけたらお供え物をするくらいには信仰してます。
笠地蔵の話だってあるからね。
「さて、地上はそんな感じで触れちゃダメなんですがダンジョンは違います」
「と言うと?あ!バフが貰えたり?」
「……残念!確かにお供え物をするとバフをくれたり、アイテムを授けてくれるタイプの祠もあります。けど、そう言ったやつはもう少し見た目が華やかだったり、特定の順序でダンジョンを探索しないと出てこないのです」
運を味方にするには努力あるのみ。
……あの仕様、RPG感あるよねー。
年末特番番組で芸人さん達が幸運ダンジョンに挑戦して祠を探す番組やってるけど、大変そうだもん。
今回の祠は明らかに放置されている感がひしひしと伝わります。
こういう奴は基本デバフです。
そもそも祠を破壊しようと思うことがないんだけど、やるやつをとことん呪い倒す系ですね。
罰当たりってやつです。
「けど、その呪いを跳ね返すと結構いいアイテムが貰えるんですよねー」
「な、なるほど……呪いを跳ね返す、ですか」
「あ、アンチスペルとかは基本効かないです。あ、そうだ。ここにあるし、1回見て見ます?」
「へ?そんな軽いノリで?!」
「大丈夫ですって。さてさて……」
俺は祠に向かって拳を握る。
……個人的に祠って壊したくはないんだよねー。
心の中でしっかりお祈りを捧げて……
「ふん!」
ゴンッ!!!
一撃で祠を叩き壊す。
……ちょっと力みすぎて地面が割れちゃったけど。
祠、粉々になっちゃった。
さてさて……今回の場合はっと……
「あーあー、君。あの祠壊しちゃったの?」
―――――――――
閲覧ありがとうございます!
いやー、流行りに乗りたくて……
本編には無理そうなのでこっちに追加しました!
全二話の予定です!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます