第2話

「着替え終わりましたー。」

「ありがとうございます。ではこちらの部屋にどうぞ。」

そう言うと、俺に施術台に座るように促した。なんだかドキドキしてきたが、ここまで来て帰るわけにもいかないので俺はおずおずと施術台に横になる。すると男はベッドの脇のカーテンを閉め、

「では、始めますね。」

と言った。いよいよだ。俺は思わず身を硬くする。すると彼は俺の肩を優しく揉み始めた。最初は緊張してドキドキしていたが、だんだんと体がほぐれていくようで気持ちがいい。特に肩甲骨のあたりがゴリゴリと音を立てるたびに気持ちよさにため息が漏れそうになる。やがて彼の手が俺の肩に添えられゆっくりと腕の方へと降りていき、手のひらや手首などを軽くもみほぐしていく。ああ、本当に気持ちがいいと力を抜いていると、急に彼の手がするりと俺の腕を撫で上げた。思わず

「あっ」

という声が出てしまった。

すると彼が耳元で囁いた。

「どうかされましたか?」

その清涼感のある声にドキドキすると同時になんだかいけないことをしているような気がしてきてしまう俺。そこで俺は我に返り、慌てて取り繕おうとするも、既に時は遅かったようだ。彼は再び俺の腕を撫でながら、

「どうかされましたか?田宮様?」

と耳元で囁く。俺は思わず体を震わせる。彼はそのまま耳元で言葉をつづけた。

「さあ、言ってください……どうして欲しいのですか?」

その言葉に恥ずかしさを覚えた俺だが、それ以上になぜかもっと触ってほしいという欲求が強くなっていくのを感じた。そして気がつくと俺は口を開いていた。

「……もっと強く揉んでくれ……。」

その言葉を聞くと佐東は笑みを浮かべたようだった。

「かしこまりました。」

そういうと俺の腕を力強く揉みしだき始めた。さっきよりも激しい力に思わず声が漏れそうになるが、俺は必死に口を閉じる。すると今度は男が耳元で囁いた。

「声を我慢しなくていいんですよ……お客様……。」

その言葉を聞いた瞬間、一気に体の力が抜けていくような感覚に襲われた。と同時に今まで感じたことのないような快感が俺を襲った。

(なんだこれっ……やばいっ!)


だんだんと呼吸が荒くなる。そして、あろうことか、下半身がぞくぞくと反応しているような気がした。俺はそれに気づかないふりをしてなんとか快感に抗おうとするが、俺の意思に反して下半身はどんどんと反応していく。

「どうですか?田宮様……。」

佐東は耳元で囁き続ける。

そのうちに自身のモノは半勃ちしてしまっていた。

だが佐東はそんな俺をあやすように、

「大丈夫ですよ、田宮様。これはよくある生理現象ですから……。」

と言った。俺は恥ずかしさで泣きそうになりながらも、なんとかこの道の快楽を我慢することしかできなかったのだった。

しかし男のマッサージはまだまだ終わらない。佐東は俺の身体を揉みながら、時に耳を舐めるように囁いたり、首筋に息を吹きかけたりしてくるのだ。そのたびにビクビクと反応してしまう自分が情けない……。そういえば最近は仕事が忙しすぎて、そういうことはご無沙汰であった。

「では、お胸の方失礼いたします。」

そういうと佐東はマッサージをしていない方の手で俺のTシャツ越しに胸を揉み始めた。最初は全体を包み込むようにして、徐々に中心へと移動していく。そしてついにその頂点へとたどり着いた時、俺口から

「アッ……」

という声が漏れてしまった。佐東はふふ、と笑いながらそのまま指先でカリカリと引っ掻くように刺激してくる。その度に俺は体をビクッと震わせた。

「田宮様、そんなにビクビク反応してしまっては施術の妨げになってしまいますよ。」

佐東はそう言って俺の耳を食んだ。そしてそのまま舌を中へと差し込んでくる。じゅぷ、ちゅぱといういやらしい音がダイレクトに脳髄を刺激した。その音を聞くたびに俺はますます敏感になっていくようだった。やがて佐東は俺の乳首をつまむとコリっコリっと刺激し始めた。最初はただ痛いだけだったが、徐々にその感覚は変化していき、次第に快感へと変わっていった。

「っあ、んっ」

思わず声が漏れる。そしてそれに気づいたのか佐東は今度は指先で乳首を弾くようにし始め、同時に耳舐めを再開した。俺はあまりの気持ち良さにどうにかなってしまいそうだったが、ギリギリのところで踏みとどまった。だがそんな俺に追い討ちをかけるように佐東はさらに激しく責め立てるのだった。

ようやく佐東が俺の乳首から口を離す頃には俺のモノは完全に勃起しており、ハーフパンツを押し上げるほどだった。佐東はその膨らみに気付くと、再び耳元に唇を寄せて囁いた。

「田宮様、こんなにお勃たせになってしまって……大変ですね。今楽にして差し上げます……。」

そう言って俺のハーフパンツの中に手を入れてきた。そしてそのままボクサーパンツの中で窮屈そうにしていたモノを取り出すと手で包み込むようにして擦り始めた。俺は思わず体を震わせるが、佐東は構わずその手を上下に動かし続ける。

「あっ、やめっ……」

俺は思わず拒絶の言葉を口にしてしまうが、佐東は笑みを浮かべながら手を動かし続ける。そしてついに限界を迎えた俺は勢いよく精を放ってしまった。射精している最中も佐東の手は止まらない。むしろ激しさを増していったように思う。ようやく出し終わると、彼は手に付いた白濁液を俺に見せつけるように舐め取った。俺はその姿を見ながら呆然としていた……すると彼は再び俺のモノを扱いてきた。

「やめろっ、もう出ないから!」

と訴えるも彼は手を止めてくれない。やがてまた俺のものが首をもたげ始めたところで佐東はようやく手を離してくれた。やっと終わったか、と安堵しながら肩で息をする俺に向かって彼は言った。

「では、いまから私のおすすめコースを始めますね…♡」

そういうと佐東は自分のズボンを下ろし、制服を脱ぎ捨て一糸纏わぬ姿になった。

突然の出来事に呆然としていると、彼は俺のモノを口に含んだ。


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