マッサージ店に入ったはずがかわいい子猫ちゃんに搾り取られちゃった件
@tsuraraturatura
第1話
俺は田宮蓮、28歳。どこにでもいるくたびれた普通のリーマンだ。最近なんだか体の調子が悪い。もう三十路に差し掛かっているからだろうか、いくら寝ても体の疲れは一向に取れず、体のあちこちがガチガチに凝り固まってしまっているような気がする。そんなとき、ふと目に留まったのがそのマッサージ店だった。駅の裏にこじんまりと店を構えているそこはなんだか周りの喧騒を打ち消すようにひっそりとしていた。
「いらっしゃいませー」
店のドアを開けると、中から爽やかな若い男性の声が聞こえた。中に入るとそこには1人の男性がカウンターの奥に立っていた。おそらくこの人がこの店のオーナーなのだろう。俺よりも少し年下だろうか、若くてイケメンの好青年だった。彼は俺の姿を見ると軽く会釈する。俺もつられて頭を下げる。
「ご予約はされていますでしょうか。」
若い男はそう続けた。
まずい、そんなに人気店だったのかと少し焦りながら、
「いえ、実はしてなくて…。」
とごにょごにょ答える。
「そうでしたか、少々お待ちください……。」
と若い男はパソコンのようなものを操作し始めた。だが、彼は途中で手を止め、少し考え込むように顎に手を当てた。何か問題でもあるのだろうか、と不安になる俺に男は言った。
「……お客様、なんだかお疲れの様子ですね」
ぎくりとした。やっぱりこういう職業の人は分かるのだろうか。
「ええ、そうなんです。最近体の調子が悪くて…。だからふらりとこのマッサージ店に寄ってみたんですよ。」
若い男は気の毒そうな顔をしながら
「そうなんですね…。その体のお悩み、私共で解決できるかもしれません。」
と言った。。
「本当ですか!?」
思わず食い気味に反応してしまう俺。男はにっこりと笑って頷いた。
「ええ。お客様、任せて下さい。コースはいかがいたしましょう?」
俺は少し考えたがよくわからなかったので
「おまかせとかってできますか?」
と聞いてみた。すると男はにこりとして、
「かしこまりました。ではこちらでお客様に会う施術をご用意いたしますね。」
と行った。
そのさわやかな笑顔に少しドキドキしながら俺は待合室でただぼんやりと時計の秒針を目で追った。
「お待たせしましたー。田宮さん。こちらへどうぞ。」
十分くらいすると施術室からひょこりと男が顔を出した。
俺は呼ばれるままに施術室へと入る。男が鍵を閉めてこちらへと近づいてきた。
「初めまして、田宮様。本日田宮様の担当をさせていただきます、佐東と申します。よろしくお願いしますね。ではまずこちらに着替えて下さい。」
そういって渡されたのはさらさらした素材のTシャツとハーフパンツだった。
「できれば下着も脱いでもらえるとマッサージの効果をより体感できると思います。」
と男は付け加えた。
俺は少し迷ったがせっかくなので万全の格好で臨むことにした。
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